第百三十話 疑惑と混沌
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死んだ子供をクローンで復活させたが、結局はその娘は死んだ娘ではないと虐待し、実の娘の遺体を復活させるために、願いの叶う魔法の石をクローンに奪わせようとする魔法少女ものとか、電送実験失敗で蠅と融合した蠅人間とか、ガス化したガス人間とかの記憶ディスクを、フェザーン経由で俺が注文し、それらB級、C級ホラーやアニメを参考にクロプシュトック侯や俺が散々頭を使って作った設定を最後まで使い続けたとは、馬鹿は死ななきゃ治らないと言うがその通りになったな。
しかし、此で内務省も社会秩序維持局も終いだな。特に俺の家族を虐待した社会秩序維持局にクローン作成など全ての罪を着せてた以上は、彼処はもう終わりだな。クロプシュトック侯領にもそれらしき施設を作って如何にも本当としてあるから、かなりの期間クローン騒ぎと皇位継承の騒ぎにより帝国の内情は混乱し続けるだろう。
此で面白くなってきた。間違えなく帝国は俺の抹殺を計るだろうが、ノイエ・サンスーシの地下迷宮はランズベルク伯の作った物だけでは無いのだ、我がリューネブルク家もコルネリアスI世陛下の御代に抜け穴を作成しているのだよ。流石にリューネブルク侯爵家が潰えた後はメンテナンスもされていないが、動く事は確認済みだ。
この事までは、クロプシュトックにも教えては居ないがな。
フフフ。このまま抜け穴を抜ければ、重犯罪人の死体置き場に出るだけだ。ここでヘルマン・フォン・リューネブルクは消え去るという訳だな。此処で死体の山と共にヘルマン・フォン・リューネブルクとクローンである、クレメンス・フォン・ゴールデンバウムは消え去るのだ。
後に残るのは、焼け焦げた死体の山だけだ。
「抜けたか」
流石に腐りかけた死体の臭いはこの俺でも辛いものが有るが、此も俺の野望のためだ。
さらばだ、ヘルマン・フォン・リューネブルク、クレメンス・フォン・ゴールデンバウムよ、卿等はアルベルト大公と同じく帝国に長きにわたり伝説を残すであろう。
しかし本来なら、皇太子に皇位を継がせたあと、皇女殺しでリッテンハイム侯を処断しその娘サビーネを俺が娶るはずだったのだがな、まさか皇女が生きていたとは、あの時、皇女と面談した時の違和感は此であったかと今更思った。
旨く行っていれば、ブラウンシュバイク公を謀反で潰した後で、ルードビッヒとエルウィン・ヨーゼフを暗殺しサビーネを女帝に就け、俺が女帝夫君として帝国を乗っ取るつもりであったのに残念だ。しかし事破れた以上は潔く退場するとするかな。ヘルマン・フォン・リューネブルクはだがな。
さて、変装も外して、フランツ・アーフェンとして生きる事とするか。フフフ、顔も既に整形済みだからな、しかも経歴も完璧だからな、さらばだ!
帝国暦483年8月5日 午後1時
■ノイエ・サンスーシ グリュー
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