第5章:幽世と魔導師
第130話「説明、その一方で」
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に首を断った。
闇雲に攻撃をしても徹らないのであれば、一点に集中させればいい。
その一太刀に込められた力は、まさにそういったものだった。
〈お見事〉
「まぁ、これぐらいはね」
小さな傷を何度も与えていたとは言え、ほぼ一撃。
それだけで鈴は鬼の妖を仕留めた。
「封印……っと」
〈……ところで、これは君が言っていた“幽世の門”かな?〉
「……ええ。何の因果か、現代において再び開かれた。……嫌な予感がするわ。すぐに移動しましょう」
すぐに下山を開始する鈴。
降りた先には土御門家が手配した車があった。
〈魔法関連の事だけど、夜中に緊急要請があったよ。それも無差別にね。発生源は京都。……“幽世の大門”も京都にあったよね?〉
「……魔法が関わっていると言うの?」
〈憶測だけどね。……尤も、無関係ではないと思うよ。偶然にしてはタイミングが合いすぎている〉
「……………」
下山の間、鈴は思考を巡らす。
「……もし、幽世が関わっているのなら、私や現代の退魔士だけでは対処できないわ。……助っ人を見つけに行くわ」
〈助っ人……当てがあるのかい?〉
「この状況下だからこその…だけどね。それに、協力してくれるとも限らない」
〈……それは、一体…〉
マーリンにとって、鈴と出会ってから辿っても特定の頼る相手はいない。
助っ人となる人物はいないと記憶していたが……。
「……助っ人は妖よ。妖と一概に言っても、中には理性がある者もいるの。さっきの大鬼だって、会話はしなかったけど理性はあったでしょう?」
〈なるほど……。それで、その妖の名前は?〉
麓に停めておいた車に乗り込み、運転手に岩手県に向かうように指示する。
そして、マーリンの問いに対して……。
「……悪路王よ」
その名を告げた。
「………あ、力が戻ってきた」
「本当?もしかしたら、誰かが倒してくれたのかもね」
「これなら元に戻れるかな。咄嗟に作った式神の体だと違和感があって……」
「そうだね……」
「“こっち側”からも何とかできないかな?」
「ちょっと考えてみるよ」
……動きがあるのは、現世だけではない……。
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