暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第130話「説明、その一方で」
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「嘘ー……。連絡を取ろうにもその暇がないし……」

 霊力で障壁を張りつつ、那美は嘆く。
 事の発端は、ニュースでもやっていた正体不明の存在…妖の正体を探るため、那美に仕事が入ってきたのだ。それを受け、今に至る訳である。
 ちなみに、那美にその仕事が来たのは目撃情報から一番近かったからである。

「……もしかして、これって妖怪と言うか…妖?」

「くぅ……?神様が言ってた…?」

「う、うん。今朝から感じられる霊力は多いし、椿ちゃん達からちらっと聞いた話からずれてないし……」

「……“幽世の門”?」

「あるの……かなぁ?」

 その予想は当たっているのだが、いまいち自分の予想に自信が持てない那美は、とりあえず原因を探るために移動を始めた。
 目指すのは、感じられる瘴気が強くなっている方向。
 それは、奇しくも幽世の門がある方向だった。









「ふっ……!」

「オオオオオオォッ!!!」

     ギィン!ドォオン!!

 振るわれた大きな拳を、刀で弾くように逸らす。
 逸らされた拳は横に逸れ、地面に窪みを作る。
 青森県陸奥市。下北半島にある恐山(おそれやま)と呼ばれる山の一画で、大きな鬼と一人の少女が戦闘を繰り広げていた。

「っ!」

 続けて薙ぎ払うように振るわれる足。
 少女はそれに手を添え、その勢いで飛び上がる事で回避する。

「はぁっ!!」

   ―――“斧技・雷槌撃”

「ヌゥウウウッ!!」

 御札から斧を取り出し、刀からそれに持ち替える。
 同時に雷を纏った一撃を振り下ろす。
 それに対して鬼は腕をクロスさせてそれを防ぎきる。
 ……斧の一撃は重く、本来なら腕は両断されるはず。
 しかし、鬼の皮膚は堅く、その一撃ですら軽い傷をつける程度しか効かなかった。

〈何ともまぁ、頑丈だねぇ〉

「軽口叩かない!……まったく、面倒なものね…!」

 ガードされた際に間合いを取って着地した少女はそう呟く。
 対し、首に掛けた小さな西洋剣のアクセサリーからの声はどこか他人事だった。

「マーリン。良い手はないかしら?」

〈何とも言えないね。妖相手は君の方が知っているだろう?〉

 少女…土御門鈴はデバイスであるマーリンに尋ねる。
 ……が、返ってきた言葉は所謂“自分で頑張れ”だった。

「まったく……!」

「ォオオオオッ!!」

 そこへ、休む暇を与えんとばかりに鬼の攻撃が迫る。
 鈴は“そういうと思った”とばかりに溜め息を吐き……。

「久しぶりに、手応えあったわ」

   ―――“刀奥義・一閃”

 その拳を躱した上で、首に一太刀。
 綺麗な軌道を描くその一撃は、見事
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ