第5章:幽世と魔導師
第130話「説明、その一方で」
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隙を突くように現れた妖の攻撃を槍で遮るように防ぐ。
「(“門”は……あっちか?)」
僅かに瘴気らしきものが混じっている霊力を見つけるシーサー。
それを辿るようにして、“門”を探す事にした。
「きゃぁああああ!」
「うわぁあああ!」
幽世の大門がある京都。その中心地。
そこでも妖が多く現れ始めていた。
幸いにも警察が既に応戦をしているが、範囲が広いために阿鼻叫喚となっていた。
「ひっ、あ……あ……!?」
その中で、逃げ遅れた子供が一人。
目の前の妖に怯えるようにその場にへたり込んでしまった。
「させません」
ザンッ!
そこへ庇うように躍り出た影が一つ。
子供の前に出たかと思えば、腰に携えた刀で妖の首を一閃の下に断った。
「……良かった、無事ですね」
「ぁ……」
「さぁ、早く逃げなさい。ここは私が何とかします」
「あ、ありが、とう……」
優しく声を掛けると、子供はお礼を言って避難を再開した。
「……この状況でお礼を言えるとは…良き子供を守れてよかったです」
守るべき者を守れたと、その人物……蓮は安堵する。
しかし、すぐさま刀を構えなおす。
「しかし……」
襲い掛かる蛇のような妖...七歩蛇の攻撃を躱し、切り裂く。
さすがと言うべきか、京都には妖怪の伝承が多く残っている。
そのため、他の地域と比べて妖の質と量が多かった。
「これは一体、どういう事なのですか……?」
目の前に広がる惨状。
それはまるで、かつての江戸時代。
幽世の大門が開かれていた当時のような様子だった。
「幽世の門が、現代において開いたというのですか……?」
受け入れがたい現実。それが目の前に広がっている。
各地で銃声が響いている。警察も応戦しているのだ。
「(……霊力も感じられる…。現代にも、陰陽師は残っていたのですね…。なら、私も……)」
まずは住民の安全を。
そう考えた蓮は刀を鞘に仕舞い、逃げ遅れた人を探しに行った。
「くぅ!」
「もう!何なの一体ー!?」
愛知県の三河市。その一画にて。
雷が迸り、鳥のような姿の妖…以津真天が撃ち落とされた。
「うぅ……軽く受けるんじゃなかった……」
大声を上げた女性…那美は溜め息を吐きながらそういった。
同行していた久遠も常に少女の姿を取っており、臨戦態勢を崩していない。
「それにしても、ここまでいきなり襲われるようになったのって…私達のせいじゃないよね?」
「くぅ……多分…そう?」
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