第六章 Perfect Breaker
最凶 召喚
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リギリと歯噛みしながら突っ返す唯子に、四剣を抱えてシレッとした顔で話す赤銅は見ていて面白い。
本当にあの時の赤銅の翼と同一人物かと疑いたくなる。
「で、そろそろ教えてくれ。何を始める気なんだ?」
「あの駄マスターがこの後召喚する相手。そのうちの一人に心当たりがあるのでござる」
「だれ?」
「それは後で。で、その者にはおそらくはお主らでは勝つことは出来ぬでござる」
きっぱりと断言されたことに、多少なりともムスッとする一同。
だがこれが赤銅の言葉であり、その言葉に込められていた真剣さから見て、一体どのような存在なのかと次には思考していた。
「ダグバか?」
「だれスかそれ?」
「グロンギ首領。究極の闇」
「・・・・ジェノバか」
「ジェノバ?」
「ああ・・・・空から来た災厄。この星を滅ぼす存在だ」
「アンリマユということも」
「歴史で聞いたことあるような」
「ゾロアスターの経典に「この世、総ての悪」と言われた者です・・・・」
三者三様に、自分の知りうる最悪の敵を想像する。
しかし、確かに最悪の敵ではあるが今の「EARTH」のメンバーならば勝てないこともない相手だ。
「何を言うでござるか。確かに“そやつ”は翼刀の君ら全員でかかれば勝てる相手。でもそのためにメンバーの三割を失うでござるよ」
「うしな・・・・」
その言葉に、蒔風は絶句する。
そいつを相手にすれば、「EARTH」にいるメンバーの三割が死ぬ。
更に赤銅が言うには、三割が死亡、二割が再起不能になるらしい。実質、「EARTH」は半壊状態になる。
「じゃあ、あんたがそれを相手してくれると?」
「いえす、でござる。これ一回広げるでござるよ」
ゴシャァ
「ああ!私のエクスカリバー!!?」
そう言って、とりあえず抱えていた四剣を地面にばらまく赤銅。
荒い。あまりにも扱いが荒い。
三つを地面に置き、地面に座り込んで十五天帝を一つに組み上げていく赤銅の背中に、蒔風がなおも聞く。
「なぜ?」
「何故も何も、そやつの相手は吾自らせねばならないのでござる。そして、吾以外に戦わせるつもりはない」
きっぱりとした断言。
それ以上の理由は聞けない。
聞くな、と、その背中が雄弁に語っていたからだ。
パズルで遊ぶようにカチャカチャと十五天帝を手に取っていき組み上げる赤銅。
座っていた足を崩し、手を軽く振るうと四剣が宙を浮いて彼女を四角く囲むように停滞した。
「さて、では始めるとするでござるか」
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