第六章 Perfect Breaker
強者 倒るる
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
すでにそこにいる30余りを、同数で蹴り、斬り、雷撃で砕く。
そして残った15で新たに出現するナイト兵を抑え込み、残りの数体で一刀、理樹を抱えて一気にその場を疾走していく。
「EARTH」ビルまで距離があるうちは、ナイト兵の補充や体力の消耗から使えなかった戦法で一気に突き進む。
「EARTH」ビル前へと到達し、オーズはすぐにタトバコンボへと戻り、こまめに脚の埃を払う。
そして、理樹と一刀がそこで見た もの とは
「やあいらっしゃい!!!今こっちも……終わったところだ」
そこに、到底信じられない光景があった。
足を突き出すセルトマンは、それを持ち上げるように右足を上げている。
その先端には、一人の男が引っ掛かっていた。脚は浮き、地面には剣が落ちている。
身体をくの字に曲げ、腹にめり込んだ爪先でぶら下げられているそのショウは、そこで力なく四肢を揺らしていた。
「ショウ!!!」
「あ、あいつがやられてるって……!?」
魔導八天の最高出力。
その放たれた雷撃を、セルトマンは魔力障壁一つで防ぎ、反撃したのだ。
魔力障壁は二秒と持たなかったが、ショウの懐へと飛び込むには十分すぎる時間。
そして、今この状況が生まれている。
「やはり描写が的確なのも困る。こうもあっさり勝っては面白みがない」
もともとは「EARTH」を相手にすることで、それを困難な障害とすることで「乗り越えていく、手に入れる」という実感を求めていたのだが、大聖杯をアーカイヴに接続したからか、この先までアーカイヴを閲覧できるようになってしまった。
その内容はあまりにも面白みがなく、“描写”も曖昧だったり省かれているところがあるのだが、詳しいところもあるにはある。
そういった欠点はある物の、いわばこれは、セルトマンにとっての必勝攻略本だ。よほど逸脱しない限り、彼に負けはない。
脚を振り、ショウの身体を放り捨ててからセルトマンは期待するような顔で三人に振り返った。
「さて、ここからは書いてない。勝利は決まっていてもやはり楽しみだな」
“その先”がある以上、ここでセルトマンが敗北することはない。
だがそれは彼にとって「RPGでのボス戦」と同じだ。勝つことは当たり前、その過程が楽しい。
「高防御と多彩能力。さらには仮面ライダーを同時に相手にするボス戦だ。さぁて、どう切り崩すか」
「「「ふざけるな!!」」」
ブレード、龍牙、メダジャリバー
三人が武器を構え、一斉にセルトマンへと突っ込んでいく。
前に出ようとするオフィナとフォンを片手で制し、自分がいくと意思を示すセルトマン。
「さあ、思い切りいかせてもらうぜ――――――!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ