第六章 Perfect Breaker
越えて往く一撃!!
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今までのあらすじ
みんなの協力の元、十五天帝を取戻しネガ電王を撃破した蒔風。
一方、故郷の街で父と対峙する翼刀。
その圧倒的な力と技の前に、なすすべもない。
だが唯子の時間稼ぎによって救われた彼は、神剣の恩恵によってまずまずの回復を果たす。
そして、この継承式で見せる二つの内の一つ、動不動拳を今、父に放つ。
構えていた翼刀は――――
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深呼吸
肺いっぱいまで吸い込んだ空気を、ゆっくりと、絞り出すように口から吐き出す。
それを繰り返し二回。
三回目は、吸いきったところからさらに吸う。そして息を止め、体内が落ち着いたところでさらに時間をかけて吐き出した。
これから見せるのは、動不動拳。
しかし、正当な形ではない。
踏み込み、突き出す拳。
その動の所作から放つ不動拳という矛盾を成すのが動不動拳。
翼刀はそれをせず、自分なりと称して今から挑む。
(自分なり・・・・なるほど。別の形を見出したと言うことか)
翼刀の言葉からして、どうやら正当な形は出来ないようだ。
だがいいだろう。
技術は常に進歩するもの。認めうるものであれば、許容しよう。
(だがな、それでもし生半可なものであったら絶対に認めん)
楽しみ半分、と言った顔で、翔剣はにやりと笑う。
自らの技を持たず、ただ先代の技をできると言うだけの自分にはないものを、これから息子は見せてくれるのかもしれない。
そんな楽しみ。
「行くぞ」
「おう」
翼刀が構え、翔剣が体に力を込める。
翼刀が向けているのは、左拳。右腕は引いた状態だ。
このまま突っ込み、左拳か。それとも右腕を突き出しての攻撃か。
頭の中で推測が飛び交い。そしてそれの答えが出る前に、翼刀が動いた。
「ダッッ!!」
地面を蹴り出す、右足。
左拳が出ているから、そっちの足が後ろだ。
その一歩の踏み込みで、一気に翔剣の元へと飛び込んでくる翼刀。
そして、ここからが動不動。
「ゼッッ!!」
上半身を返し、左と右の前後が入れ替わる。
突き出される右腕。
引かれる左腕。
それと同時に、踏み込んできた足が着地した。
宙で入れ替わり、右足が前、左足が後ろ。
ダンッ!!と強く地面を踏み、右足がビタリと止まる。
そして突き出された右腕が、これ以上ないほど伸ばされた。
拳の正面は翔剣の胸にピタリと当てられ、身体が完全に止まる。
(踏み込み自体はあるが、ストップしたこの状態か
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