第六章 Perfect Breaker
越えて往く一撃!!
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刃であろうとも同じであり、更にこの奥義は豆腐を崩さずに返すことで修得とされているのだから。
だがそれも
「ただの刃なら、な」
降り注ぐ刃は無数。
それらが宙で擦れ合い、火花を散らし、発熱し、ついには炎を上げて飛来する。
「っっな!!」
それを見て、翔剣がとっさに回避する。
如何に不動拳と言えども、無体である炎を返す術はなく、熱のダメージは流動できない。
刃は返せても、周囲が炎に包まれては脱出も困難。
故に即座に回避したのだが―――――
「なん・・・だ、これは!?」
ゴッ――――ォウッッ!!!
周囲を包む紅蓮の炎。
一瞬にして巻き上がった炎は、翔剣の行動範囲を超えてゆうに半径25メートル内を文字通り「焦土」と変えた。
「クッ・・・・」
空歩で宙へと飛び出し、熱から逃れようとする翔剣。
だが、上に行けばいくほど炎はその熱を上げていく。
しかも、そこを超えて上昇しようとすると
「刃一突き!!」
「なグゥッ!!!」
突き出されたヴァルクヴェインの先端から、マシンガンのように打ち出されてきた刃が襲いかかる。
「面」での攻撃である刃幕とは違い、「一点」を攻める連続発射。
これでは「弾弾き」としても詰まってしまう。
だが炎を抜け出し、空が見えた瞬間にそれを喰らった翔剣は、咄嗟にその「弾弾き」で受けてしまった。
当然、詰まった物量に押しつぶされて再び炎の中へ。
ユラリとその中に影も消え、二秒だけ時間がたつ。
「不動爆!!!」
ドォンッッッ!!!
炎が中心から吹き飛んだ。
不動爆を持って地面ごと吹き飛ばした翔剣が、間髪入れずに飛び出していく。
一方、空中移動などできない翼刀は焦土を放ってから落下していくのみ。
この数秒ですでに着地しつつあるが、その地点に向かって翔剣がやって来る。
「ラァッ!!」
「撃太鼓!!」
迫る翔剣を止めようと、翼刀が刃幕を一気に放つ。
それを駆けながら、全く勢いを落さずに撃太鼓で払う翔剣。
着地まで後2秒もない。
その数秒稼げばいいのだが、この男が来るのにあと1秒。
十分間に合い、そして着地の瞬間という最高のタイミングで双拳を打ち出そうと拳をぶつけて増幅しだす。
「へっ」
だが、それを見て翼刀は笑った。
そしてその視線に気付き、翔剣が振り返ると
「バカな」
語尾を強調する暇もなく、腕をクロスして顔と胴を守る。
飛来してきたのは、数十本の刃。その内二、三本の刃が突き刺さった。
衝撃と痛みはあるが、それ以上に翔剣の頭は混乱していく。
(確かに撃太鼓で俺はすべて払ったはずだ。なぜこの
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