第六章 Perfect Breaker
一撃の始動
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今までのあらすじ
阿鼻叫喚、悲鳴と破壊に包まれていた街中を、彼らは駆けた。
そして、ついに蒔風の元へと届けられた十五天帝、残りの八本。
受け取る蒔風は、勝利を確信する。
その数分前―――――――
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「でやァッッ!!」
「おふぅ!?」
「うわぁ!!」
ネガ電王の一閃。
それをがんばって回避する蒔風。そして怯える響。
不動拳での攻撃は出来ない。
かといって回避に専念すればジリ貧だ。
と、なれば蒔風が取れる行動は一つ。
「っと、オらァ!!」
「ぐぉ・・・・」
紙一重で回避し、そこから響を狙う刃を、自らの翼で受け止める。
そしてカウンター気味にネガ電王へと蹴り込み、押し出すように退けさせることだけだ。
だが、言うほど簡単なことではない。
二人が手錠で繋がれてから30分〜40分ほどの時間が経過している。
蒔風にとって初めての経験、状況だ。故に、この攻防に至るまでも試行錯誤だった。
だが、ここで蒔風は一つの形を作り上げた。
それがこの形だ。
紙一重過ぎず、離れ過ぎずの回避。
そして蹴りによる反撃。
体捌きからの連動した蹴りは、拳よりは隙も所作も少なく、相手を押しのけ易いと言うことから、蒔風はこれを選択した。
回避してからの、標的を響へと変えた攻撃には、彼女を翼で覆って守っている。
本来の蒔風ならば、一発入れたらそこから一気に攻め込んでいって倒せるものだが、翼の方に力を回しているため、蹴りにはどうしても押し退ける程度しかパワーがないのだ。
しかも、そこまでして翼を固くしても、ネガ電王の刃は翼を確実に傷つけていく。
目の前でハラハラと散っていく羽を目にしながら、響はしっかりと翼にしがみついていた。
「だ、大丈夫・・・・?」
「大丈夫!!」
響の心配そうな声に、蒔風が元気に答え、ニッと笑う。
どう見てもキツそうなのだが、なぜだがその言葉通り大丈夫だと思えてしまう。
「そこにいて、翼をしっかり掴んでくれ」
「それだけのお荷物を背負い込んで、良くこの短時間で対抗策を思いついたものだな」
蒔風の言葉を遮るように、ネガ電王は蒔風に語りかけた。
この短時間でこの対処法を思いつき、曲がりなりにも確立させた戦法としていることに対する称賛の言葉。
だが、どこか侮蔑の意が込められているのは言うまでもない。
「見事だが、失策だな。その分では翼は幾分も持たないだろう。結局はジリ貧。俺の勝ちだ」
その通り。
蒔風の翼は確実に傷
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