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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
一撃の始動
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い。

ただ相手の前で吹っ飛ぶだけの、実にバカバカしい死に方をすることになる。

翼刀は全不動までだが、この技を完全体得すると衝撃波全方向へと撒き散らされ、そこに無事な者は術者本人しか残らない。


だが、その中でいまだに息をする者がほかに二人。

「グぐッ・・・・げばっ、ウゲァ・・・・・」

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・・」


いまだに苦しむ翼刀と、それを守るようにしゃがむ唯子だ。

膝立ち状態で翔剣へと向いている彼女は、冷や汗を垂らしながら彼を睨み付ける。


何か一言言ってやらねば。
自分の息子を殺す気かと。

そうして口を開き――――


「なぜ決闘に割り込んだ」

「じぅ・・・・・」

まともに言えたのは、最初の一文字だけだった。


(こっ・・・・)

(((怖・・・・・・)))


覗き見る魔法少女三人に、唯子も同じ感想を抱いていた。

あたふたとしはじめる唯子。

どうした、答えないのか?と翔剣は首をかしげるが、その動作があまりにも怖い。
ギラリと光った目が特に。

そうして何か言わねばと慌てる唯子。
そして見つけたのが―――――


「・・・・携帯?」

「はっ、はい!!あ、あの、その・・・・傷ついた男の子って、なんかイイですよね!?」

「・・・・・それで写真?」

「そッ、そうです!!」

「では邪魔をしたのはコッチダト?」

「いぅ・・・・・」

何かわからないことをのたまい始める唯子。
自分でも「何言ってんだ私!!何かほかにあったろバカか!!」と心で叫ぶが、もう遅い。

それから数秒ジーーーーと時間が止まったようにお互いの顔を見て


「そ、そうか・・・・趣味趣向は人それぞれだからな」

「でッ、ですよねー!!!」

(((納得すんのかよッッッ!!?)))

やはりこの人は、翼刀の父親で間違いないらしい。


「唯・・・子」

「翼刀!!!」

そこで、翼刀がやっと回復する。
唯子の肩を掴み、下がらせてから彼は言う。


「ありがと。楽になった。あとは任せろ・・・・」

「でも」


言葉を続ける唯子に、翼刀は大丈夫、と言って立ち上がる。

回復の理由は、ヴァルクヴェイン。
胸元のシャツは血でびしょ濡れ。顔色もいいとは言えないが、それでも翼刀は立った。


「ああ親父・・・続きだ」

「・・・・そうか」


そう言って、翔剣が構える。
翼刀は唯子に下がってもらい、フラリと立つ。


「翼刀!!帰ったら心配させた分、おごってもらうからね!!」

「・・・りょーかい」


そうして再び対峙する二人。


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