第六章 Perfect Breaker
一撃の始動
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い。
ただ相手の前で吹っ飛ぶだけの、実にバカバカしい死に方をすることになる。
翼刀は全不動までだが、この技を完全体得すると衝撃波全方向へと撒き散らされ、そこに無事な者は術者本人しか残らない。
だが、その中でいまだに息をする者がほかに二人。
「グぐッ・・・・げばっ、ウゲァ・・・・・」
「ハァ・・・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・・」
いまだに苦しむ翼刀と、それを守るようにしゃがむ唯子だ。
膝立ち状態で翔剣へと向いている彼女は、冷や汗を垂らしながら彼を睨み付ける。
何か一言言ってやらねば。
自分の息子を殺す気かと。
そうして口を開き――――
「なぜ決闘に割り込んだ」
「じぅ・・・・・」
まともに言えたのは、最初の一文字だけだった。
(こっ・・・・)
(((怖・・・・・・)))
覗き見る魔法少女三人に、唯子も同じ感想を抱いていた。
あたふたとしはじめる唯子。
どうした、答えないのか?と翔剣は首をかしげるが、その動作があまりにも怖い。
ギラリと光った目が特に。
そうして何か言わねばと慌てる唯子。
そして見つけたのが―――――
「・・・・携帯?」
「はっ、はい!!あ、あの、その・・・・傷ついた男の子って、なんかイイですよね!?」
「・・・・・それで写真?」
「そッ、そうです!!」
「では邪魔をしたのはコッチダト?」
「いぅ・・・・・」
何かわからないことをのたまい始める唯子。
自分でも「何言ってんだ私!!何かほかにあったろバカか!!」と心で叫ぶが、もう遅い。
それから数秒ジーーーーと時間が止まったようにお互いの顔を見て
「そ、そうか・・・・趣味趣向は人それぞれだからな」
「でッ、ですよねー!!!」
(((納得すんのかよッッッ!!?)))
やはりこの人は、翼刀の父親で間違いないらしい。
「唯・・・子」
「翼刀!!!」
そこで、翼刀がやっと回復する。
唯子の肩を掴み、下がらせてから彼は言う。
「ありがと。楽になった。あとは任せろ・・・・」
「でも」
言葉を続ける唯子に、翼刀は大丈夫、と言って立ち上がる。
回復の理由は、ヴァルクヴェイン。
胸元のシャツは血でびしょ濡れ。顔色もいいとは言えないが、それでも翼刀は立った。
「ああ親父・・・続きだ」
「・・・・そうか」
そう言って、翔剣が構える。
翼刀は唯子に下がってもらい、フラリと立つ。
「翼刀!!帰ったら心配させた分、おごってもらうからね!!」
「・・・りょーかい」
そうして再び対峙する二人。
だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ