第01部「始動」
第03話
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がら言っていた…正しい未来。こんな事の上に立つ未来が正しいと、本当にそう思っているならお笑い草だ。
新たな新薬の製造に犠牲が生じるのは必然…だが彼等は、自らの為だけにそれを行なっている。目的は人を悪魔に変える。だが、そんな事が理由にはならない。
やった事の責任を追うのは自身だ。正常な人間なら、他人に理不尽な死を押しつけたりはしないだろう。そういった意味なら、女の患者…そして関係者も罪を背負った。
ある者は慰謝料を、ある者は己の生を……女もまた、一人の加害者である。だが、女は患者に好意を…愛を感じている。生きていて欲しいと、少しでも長く彼に触れていたいと願う。
それが、患者の意思に背くものだと理解していても。
「…………お兄ちゃん…」
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『マスター…』
…マスターは怒るでしょうか?
『…これで完了ですね』
今私は、格納庫の一室でバッタを制御しながら作業を行なっている。
マスターに嘘を吐いてしまいました…
その事が気に掛かる。しかし、言えばマスターは良い顔をしなかったでしょう…でも、私は…
私は壊れてしまったのでしょうか?
マスターに対して虚偽をしました…本来なら許されません。してしまう事も考えてませんでした。だから問いました。検査を行うのは私ではありません…そう言わなかっただけです………方便ですね。
いや、一プログラムでしかない私がこんな事を考える事自体、可笑しな事なのでしょう。
『結果は真っ白…いや、だからこそ怪しいですね』
コレがあの男に関わりがあるのなら……マスターはどう思うのでしょうか…
『………』
後一歩……越えてしまえば後戻りは出来ないでしょう。下手をすればネルガルからも…
『マスタァ…』
内在する記憶層からマスターのデータを読み取る。
出てきたのは、ラピスを抱き抱えるマスター。
ネルガル重工シークレットサービス(以後NSS〉所属、火星生まれのA級ジャンパー。異常とも言える訓練(と呼べるなら〉を、復讐という感情で乗り越えて目的を遂げる。
戦闘技術はエステバリスを除けばB程度。情報戦もそれほど高い技能は持たない。
ただし、身体能力は過去の実験の副作用で、脳の制御を外れた為か常人を超えた力を出すことが可能。瞬発力や単純な力に関してはA+。
痛覚を失っていることによって、拷問にも等しい機体の制御に成功。
携える弓は戦艦ユーチャリス。射る矢はブラックサレナ。
たった二機とは思えない戦果を叩き出し、ワンマンオペレーションシステムを搭載したユーチャリスの有用性を証明。ブラックサレナに至っては、多対一を前提に作られた異能の機体であり実験搭乗者を幾人も壊している。
ただし常人を超えた力を手に入れた結果。その代償として身体は加速度的に消耗し、生存時間を大きく削
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