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Knight's & Magic & Carrier 2
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の後ろに二人だ。貴族達の視線がオレとエルに集中する。理由は分かる。エルは女の子にも見える華奢な体をしている。そのままドレスでも着せて深窓の令嬢だとでも紹介された方が納得できるだろう。

そして、オレは騎操士の標準的な騎士服の上に分厚い作業服を着込んでいる上に全身を震わせて髪の毛の一部が凍っているからな。幻晶騎士、というよりは魔力転換炉の機能上の問題だ。魔力転換炉は大気中のマナをすくい取るフィルターだ。つまり熱を生み出さない。そこまでなら都合のいい動力源なのだが、主に使われている環境は温暖な地域なのだ。空の上での活用は想定されていない。

上空の冷たい大気を取り込み、それが全身に流れ込むんだ。ヒーターを搭載しないと死ぬな。作業服を積んでなかったら墜落してたな。テストでは高高度まで上がってなかったから分からなかった欠点だ。

陛下の前で臣下の礼を取り、説明は全てエルに任せる。

「陛下の仰せにより、最新鋭試作機体ツェンドルグ、および試作兵装群、および緊急展開滑走翼を搭載したカルダトアベース・テレスターレ、ここにお持ちしました。また、新構想戦術の母体となるスレイプニールもこちらへ向かっております。緊急展開滑走翼の紹介のために到着が遅れることをお詫びいたします」

「ご苦労であった。それと、トルティオネスは大丈夫なのか?」

「はっ、今回は高高度での運用試験も同時に行い、欠点が見つかった次第であります。既に改善案は思いついておりますので明日にでも克服されます」

「うむ。それにしても、お主らはわしを退屈させぬな。昨年も山一つを吹き飛ばしたかと思えば、人馬騎士に空を飛ぶとはな」

「「お褒めに預かり恐悦至極」」

「褒めとるわけでは、いや、褒めるべき点もあると言えばよいのか、判断に難しいの」

陛下が苦笑している。まあ、色々詰め込みすぎた感はある。だが、この後にスレイプニールも来るし、耐性を付けてもらわないとな。そんな中、一人の男が前に出てくる。

「……お、お前たちのような子供が、若造がアレを作っただと?」

「ディー、ツェンドルグの資料を渡してやれ。あと、メモ用の紙を1枚」

ディーが持っていた資料からツェンドルグの物を前に出てきた男に渡し、メモ用の紙を1枚オレに渡してくる。受け取った紙を手早く折って紙飛行機にする。こっちの世界には折り紙という文化は存在しないからな。

「ツェンドルグは魔力転換炉を2基搭載している。そうしないと自重を支えることが出来ないからだ。緊急展開滑走翼は、原理的にはこいつと同じだ」

出来上がった紙飛行機を貴賓室の外へと向かって軽く投げる。運が良いことに追い風に乗り、200m程飛ぶ。そのことに貴族達も驚いている。物を遠くに投げるには軽い方がいい、だが軽すぎても駄目だと言うことは分か
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