ペルソナ3
1858話
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のか?」
『む? 何がだ?』
「昨日行われたという戦いに参加し、その後は意識不明の有里を病院に運んで手続きをし……で、早朝に俺に電話をしてきて、その後はすぐに学校だ。1日で経験したにしては、随分と大変だったと思うんだがな」
『……アルマーが私の心配をしてくれるとは思わなかったな。だが、安心してくれ。軽くではあるが休んでいるし、多少の事はあっても問題ないだけの体力はある』
高校生くらいの年齢なら、1日徹夜したくらいでは問題がないか。
どのみち、俺がそんな桐条にしてやれる事は何もない以上、その言葉を信用するしかない。
本当にどうしようもなかったら、それこそ空間倉庫の中に入っている魔法薬を使ったりしてもいいんだが、今の状況でそれが必要かと言われれば、その答えは否だしな。
「そうか。なら、俺からは何も言う事はない。ただ、気をつけろよ。お前はそっちのパーティの要だ。そうである以上、もしお前が倒れるような事にでもなれば、戦力が大幅にダウンするんだからな」
『……ああ、肝に銘じておこう。アルマーも気をつけてな。……いや、アルマーには言うまでもないか』
「そうだな。死神でも出てこない限り、こっちに問題はない。……一応聞いておくが、お前達はタルタロスで死神に遭遇したりはしてないよな?」
そう尋ねながらも、俺は桐条達が死神に遭遇していない事を理解していた。
そもそもの話、もし死神と遭遇しているのであれば、桐条も真田も無事で済んだ筈がないのだから。
少なくても、今の桐条、真田……そしてゆかりといったペルソナ使い達では、死神を相手取るのはまず不可能だと断言出来る。
そんな理由から、死神と遭遇していないのは分かっていたが、それでもやはり尋ねてしまうのは、桐条と真田という2人を気に入っているからだろう。
また、有里もまだ数日の付き合いだが、友人という意味では付き合っていて疲れない男だし。
……賑やかな順平と友近という2人がいたからこそ、有里に対してもそんな思いを抱いたのだろう。
ともあれ、違う勢力、違うパーティという扱いであっても、桐条達を気に掛ける理由は十分にある。……幾月はともかく。
『ふふっ、当然だろう。アルマーから聞いた話によれば、少なくても私達では死神と遭遇すれば逃げの一手しかない。それも、そうする事で完全に逃げられるかと言われれば……微妙なところだからな』
電話の向こうで桐条が苦笑をしているのが分かる。
実際、桐条にとって死神と遭遇した時に逃げられるかどうかも微妙だというのは、色々と思うところがあるのだろう。
ただ、今まで俺達が挑むまでに何度もタルタロスに挑んでいたにも関わらず、死神が桐条達の前に姿を現した事はない。
それに比べて、俺達の……俺の下には、あっさりと姿を見せている。
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