ペルソナ3
1858話
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そのまま午後の授業が終わると……何人かの女が、急いで教室を出ていくのが見えた。
一体何を? と一瞬疑問を抱いたが、すぐに有里の見舞いだろうと理解する。
それを見ると、桐条に連絡をする必要があることを思い出し、携帯に手を伸ばす。
「おーい、アクセル。帰ろうぜ。はがくれにでも寄っていかないか?」
「悪い、今日はちょっと用事があるから無理だ。俺の分もラーメンを楽しんできてくれ」
こっちを呼ぶ友近にそう声を掛け、少し離れた場所で携帯から桐条の番号を選択する。
数度の呼び出し音の後、やがて桐条が電話に出た。
『もしもし、アルマーか? どうした?』
「クラスの女達が有里の見舞いに行ったらしい。有里はまだ意識を取り戻してないんだろ? だとすれば、見舞いに行ったのは有里のファンだから、何か悪戯されたりする可能性もある」
『む、それは困るな』
不幸中の幸いだったのは、見舞いに行った人数が数人だった事か。
いや、このクラスでそれだから、有里のファンクラブのメンバーを誘って見舞いに向かったのなら、もっと人数は多くなっているかもしれない。
ともあれ、1人で見舞いに行けば眠っている有里を見て血迷った真似をする者もいるかもしれないが、人数が多ければそんな真似も出来ない……と、信じたい。
順平辺りが聞けば、そんな悪戯は羨ましそうだと言う可能性もあるが……基本的に女に興味がないように見える有里にとって、そういうのはあまり面白くないだろう。……多分。
ともあれ、悪戯をされないのであればそれに越した事はないだろう。
であれば、有里が入院している病院も桐条グループの傘下か何からしいし、悪戯されないように手を回すくらい、桐条にとっては問題はない筈だ。
桐条にとっても、貴重なペルソナ使いの有里に妙な真似をされるのはごめんだと、そう思っているのは当然だろうし。
『そうだな、ではその辺りはこちらで手を回そう。有里が妙な目に遭うのは、こちらとしても避けたいからな』
「頼む」
『それにしても、アルマーには色々と迷惑を掛けるな。私達とは協力関係を結んでいるだけだというのに』
「まぁ、有里は友人だしな。それに……最初からそれを狙ってたんだろ?」
その言葉に、桐条が言葉に詰まる。
そもそもの話、有里が月光館学園に転入してくるというのは前もって決まっていた事だ。
そこに俺の転入を提案し、更に同じクラスなのだから……その辺りを邪推するなという方が無理だろう。
まぁ、ペルソナ使いを別々のクラスに分けるよりは、2-Fという1つのクラスに一緒に纏めておくというのが色々と面倒がないと思ったのも大きいんだろうが。
そういう意味では、ゆかりが元々2-Fだったのが大きな理由だろう。
「それより、桐条。お前は大丈夫な
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