ペルソナ3
1858話
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してだ。……それで、有里の見舞いどうする?」
勉強について考えるのが思い切り嫌だと態度で示しつつ尋ねてくる順平だったが、俺はそれに首を横に振る。
「見舞いに行くにしても、今日は止めておいたほうがいいだろ。明日も……まぁ、人が多そうだし、明後日くらいがちょうどいいんじゃないか?」
「だろうな。つか、有里の奴たった数日でよくもこんなにファンを作ったよな。何か妙な能力でも持ってたりしないよな?」
友近の言葉に、俺は幕の内弁当に入っていた出汁巻き卵を口に持っていく手を止める。
妙な力と聞き、真っ先に思い出すのは当然のようにペルソナだ。
この世界特有の能力で、その力は強力無比。
少なくても、このペルソナがない状況でシャドウと戦うのは不可能に近い筈だ。
勿論、低級のシャドウ……臆病のマーヤみたいな奴であれば、話は別だろうが。
そして、実際に有里がそんな能力を持っているというのは、俺も知っている。
だが、ペルソナの力を使って女に群がれているというのは……有里の面倒臭がりな性格を考えれば、可能性は少ないだろう。
「まぁ、月並みな言い方だけど勉強はしておいて損はないんじゃないか? 少なくても学校の成績が上がれば、3年になった時に選べる選択肢は増えるし」
ゆかりや有里のようにペルソナ使いであれば、桐条財閥がほぼ無条件で就職させるという選択肢もあるので、更に将来の選択肢は広がるだろうが……ゆかりの場合は桐条財閥に就職するというのは、かなり難しいだろう。
少なくても父親の一件がきちんと片付くまで、その選択肢はない筈だ。
そんな風に考えながら、昼休みを楽しむ。
もっとも、俺の口から勉強をした方がいいという言葉が出るとは思わなかったのか、順平と友近はかなり驚いていたが。……その上、順平はかなり嫌そうな表情を浮かべていたのを考えると、成績的にかなり厳しいんだろう。
勿論友近の方も似たような表情だったのを見れば、類が友を呼ぶといったところか。
……ん? だとすれば、俺もその類になるのか?
ただ、俺の場合は成績という一点に関してはかなりいいと断言出来る。
古文とかそっち系統は若干苦手だが、それだって平均かそれ以上には出来ているという自信があった。
「中間テストとか、最悪じゃん」
「それは否定しない。……もっとも、それが日本の高校教育のシステムである以上、否定してもしょうがないとは思うけどな」
「……アルマー、お前もしかして頭いい?」
俺の言葉を聞いた友近がそう尋ねてくるが、俺はそれに肩を竦める。
「さて、どうだろうな。俺が本当に頭がいいのなら……それこそ、次のテストで実力を見せるかもしれないけど」
「けっ、お前は敵だ、敵」
そんな風に言っていると、やがて昼休みも終わる。
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