夏合宿
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は大病院の娘である真姫。穂乃果は彼女の隣にやって来ると頬擦りしながら懇願する。
「真姫ちゃんお願い!!」
「ちょっと待って!!なんでそうなるのよ!!」
引き剥がそうとする真姫となんとかしてもらおうと食い付く穂乃果。だがその様子を見ていた絵里が穂乃果を摘まんで引き剥がした。
「ダメよ穂乃果。今は夏休みなんだからどこも使ってるでしょうし」
夏休みに入ったばかりのこの時期、真姫の親戚やらが別荘を使うことなど大いに想像できる。そう言われた穂乃果はそっかと悲しそうに項垂れる。それを見た本当は心優しい真姫は、大きくタメ息を付く。
「1ヶ所使ってない別荘があるはずだから、そこを使えるか聞いてみるわ」
「ホント!?」
その言葉を聞いて嬉しそうに笑顔を見せた穂乃果はまたしても真姫に飛び付く。そこでお店に迷惑がかかりそうだったので注意して席に座らせ今後のことを話す。
「でも合宿となると他にも問題があるわ。剛さんにも確認しなきゃいけないし、グラウンドだって借りなきゃいけないのよ」
「そうですね。でも、大会までやりたいことはたくさんありますからね。やれるならやれた方がいいとは思いますが」
真剣な表情でハナシアイヲ始める絵里と海未。他のメンバーもそれっぽく話し合いに参加してみるが、イマイチ状況が理解できていないようで会話に参加するまでには至っていない。
「真姫の別荘、さすがにグラウンドまではないわよね?]
「あるわけないでしょ。どこのメジャーリーガーよ」
野球を専門的にやる人間ならいいが一般の人がグラウンドを家のそばに備えているはずもなく、どうしようかと頭を悩ませていると、凛が窓の外にある人物を見つける。
「あれ?あれ剛さんじゃないかニャ?」
「「「「「え?」」」」」
指差した方向を見るとそこには年上と思われる女性と仲睦まじく歩いている監督の姿があった。
「隣の人誰かな?」
「キレイな人だねぇ」
のんびりとした空気でその様子を見つめている花陽とことり。しかし、それを見た瞬間ガタッと立ち上がる音が聞こえる。
「ママ!?」
「「「「「え!?」」」」」
窓の外にいる女性を見て唖然としている真姫。彼女の驚きの声を聞いた彼女たちはひっくりして声を上げていた。
「あの人真姫のお母さん!?」
「なんで剛っちと一緒にいるんや!?」
「不倫だ!!そんな剛さんが!?」
パニックからの大騒ぎ。ことの真相を確かめるために彼女たちはゴミを捨てて外に出ると、2人は手を振りお別れしているところだった。
「さて、あとはあいつらに連絡して――――」
「剛さん!!」
どこかに電話しようとした彼に全速力で突っ込んでくる少女たち。剛はそれに気付いて振り返ると、彼女たちの質問攻めに合うこ
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