第十一話「決着をつけよう」
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それを見たリオンが溜息をついて軽くフェイトの頭を叩いた。
「しっかりしろ、もうここは戦場なんだぞ。」
「す、すみません。」
「ぼおっとするなよ。今は僕が全て倒したからいい物の、もし何体か残っていたらどうするつもりだったんだ。敵は僕たちの事情など構ってはくれないぞ?」
「・・・・・」
フェイトは俯いてしまった。こういう所は昔彼女に魔法を教えたリニスを思い出させた。
「ちょ、ちょっとアンタ。それは言いすぎじゃあ...」
「間違った事は言っていないだろう...まあいい。道は開けた。行くぞ二人とも。」
そう言って、プレシアのいるであろう最深部へ一行は足を進めた...
「おのれ...リオン・マグナス!!」
プレシアはリオンの顔を見てそう怒鳴った。
その態度だけでリオンは察した。本当は下手に出て隙を伺う算段を立てていたが...寧ろこっちの方がフェイトもきっぱりケリをつけられるだろう...そう思って、一歩前に出た。
「秘密と言うのはもう少し巧く隠す物だ、プレシア。」
「余計な事を...!それで一体何をしに来たと言うの!?」
リオンは目を閉じてフェイトを前に押した。
「フェイト」
名前だけ呼んで軽く肩を叩いた。神妙な顔で頷いて静かな足取りで歩いていった。
「母さん。」
プレシアはそんな彼女を嘲笑うに唇を吊り上げた。
「フェイト、アレを見たんでしょう?あなたも知ったとおりあなたは私の娘じゃないのよ!」
その後も聞くに堪えない罵倒がリオン達の耳を抉った。
それにたいして一言一言の言葉のナイフによる蹂躙にフェイトはただじっと耐えていた。
「それで?何をしに来たと言うの?アリシアの出来損ないが。」
フェイトは顔を上げた。確固たる意思を持ってこの舌戦での反撃の火蓋を切った。
「母さんの...私たちのしてきた事に決着をつける為、ここに来ました。」
プレシアは今度ははっきりと嘲笑の色を見せた。
「決着?私を管理局にでも引き渡そうと言うの?」
そう言ってフェイトに杖を向けた。
「止められるとでも思っているのかしら、あなたも愚かねフェイト。私はあなたのそんな所が大嫌いよ。」
アルフが飛びかかろうとしたのをリオンが目で制した。
「例え母さんが私のことを嫌いでも、私はあなたの娘です。」
フェイトの言葉は強い響きを持っていた。
心に決めていたのだろう、例え何を言われても怯まないと。
「母さんの血と...半分は同じ血が私の中には流れている。」
「血が何だというのかしら?身の程を知りなさい、このお人形。私の血が流れていようと私の知った事ではないわ。そんな物はただの遺伝子でしかない。本
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