IS 〜from another〜 01
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いはただ無差別に殺したいだけか。
ともかく、劣化コアを使用した6機ISは、街を蹂躙しながら徐々にこちらに向かって来ているのが見える。突如として現れた最低最悪な非日常に、人々は叫び、逃げ惑う。
俺もそんな連中に紛れて逃げようとした時、俺はその異変に気が付いた。
足が動かないのだ。恐怖ではない。何か別の感情が、逃げる事を拒否している。
そして俺はその正体を知っていた。その上で目を逸らしていた事を思い知らされた気分だった。
「全く……我ながら度しがたいな。」
別の世界に来てまでも、未だ戦いを忘れられないなんて、な。
「あるいは、戦場が俺の、魂の場所なのかもな。」
どうも、血統書も何も無い雑種の野良猫は、戦場以外では生きられない様だ。劣化IS6機という絶望を通り越した戦力差にも、この思いは止められない。本能が戦えと命じている。
この世界で手に入れた拳銃、《SIG SAUER P226》を取り出し、こちらに向かって来るISにサイトした。
「戦えて死ぬなら、何処でもいい、か?」
惰性半分、諦め半分で口にしたその時だった。
ーーーーーチガウヨ。
ーーーーーソンナノ、ミトメナイヨ?
「っ!?これ……は……?」
夢の中で聞いた謎の声。それと同時に“何か”が繋がり、流れ込んでくる懐かしい感覚。ああ…これは……この感覚は………
ーーーーーサァ、ボクヲツカッテ?
AMSだ。
それの情報が脳に直接雪崩れ込んでくる。それらは無意識の内に整理され、選別され、体系的に組み上げられていく。
そして、俺は本能の命ずるままに、その名前を呼んだ。
「来いよ……《ストレイド》!」
瞬間、首元に巻いたチョーカーが光る。そして、己の感覚が何かにすり替わっていく。
《AMS本接続、開始》
脳内に合成音声が響き、俺と“それ”は一体となる。
光が収まった時、俺の体は漆黒の装甲に包まれていた。
やや丸みを帯びているが、むしろ鋭ささえ感じるその意匠は、世界にたった一つしか存在しないワンオフフレームそのものだ。
背面には特徴的な複列ブースターが並び、その先端には仰々しい三連装の砲身が取り付けられている。
機体も、感覚も、嘗て半身とまで成った己が相棒そのものであると、魂が断言していた。
「……久しぶりだな、相棒。まさかISになってるとは思わなかったがよ。」
答えは無い。しかし問題も無い。何故なら、既に俺自身がストレイドだ。
そういう意味ではネクストからISに
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