IS 〜from another〜 01
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いや、一度死んだんだった。
中でもセレンは群を抜いておっかなかったし尻に轢かれ続けたので以外にも余り抵抗はなかったりした。
ともあれ、俺はこうして第二の人生を謳歌している。正直俺にそんな資格は無いと思ってるが、命を拾っちまったからには仕方ない。死んでない以上、生きるしか無いのだから。
そんな訳で、俺は今日も生きていた。明確な“答え”を持たずに、ただ惰性で日々を送っていた。こっちの世界に来て、既に一年が経っていた。
「………よし、行くか。」
着替えを終えて部屋を出る。拳銃と、いつものチョーカーを忘れない。これは俺がこっちの世界に来た時に何故か身に付けていた物だ。ファッションなんて柄じゃないが、これを着けていると妙に落ち着くのだ。
以前、これを着けずに外出した事があったが、些細な事にイライラして五人も半殺しで病院送りにしてしまった。誰が言い出したかは忘れたが俺は正真正銘の《首輪付き》らしい。
三月に入ったがニューヨークはまだ寒い。リンクス時代とよく似た黒いレザーコートを羽織って外にでる。朝は携帯でラジオを聞きながら散歩するのが俺のここ日課だ。
『続いてのニュースです。先月発見された世界初の男性IS操縦者、織斑一夏君ですが今日未明、IS学園への入学が正式決定したとの声明がIISC(International “Infinite Stratos” Committee 国際IS委員会の略)より出されました。なお、所属国家については未定で本人は日本国籍を有していますが日本政府の所属では無いと断言されました。』
ニュースを聞きながら足が向かうに任せて歩く。何処をどう通ったのか。気がつけば俺は『自由の女神』像の真下に来ていた。
「……潮時かな?」
そろそろ帰ろうとして踵を返しかけた刹那、ある感覚が全身を駆け抜けた。
これまでの人生で幾度と無く感じた死の感覚。風に乗って届く独特の臭い。
ーーー死の臭い、戦争の臭いだ。
それが一際強くなったその瞬間、俺はそっちに目を向けた。
「あーあ……テロだなこれは。」
呟くと同時に、視線の先にあったビルが爆発、中から六つの影が飛び出した。
「IS……劣化コア機か。」
劣化コアとは、世界で一人しか作れないISコアを各国がどうにか解析し、一通り同じ機能を持たせる事になんとか成功したISコアのデッドコピーだ。
一応ISとしての機能は持たされているが、登場者の行動を自動サポートする疑似人格の構成が不十分であり、拡張領域や処理速度も本家には劣る。一般的に純正コアと劣化コアの戦力比は1:3と言われている。それでも既存兵器との差は埋め難いものがあるが。
テロリスト連中の目的は何なのかは分からない。何か狙いがあるのか、ある
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