IS 〜from another〜 01
[2/7]
[1]次 [9]前 最後 最初
る戦場では無く、昨日俺が眠った筈の自宅アパートである。まあ、当たり前の事ではあるが、それでも安堵する自分がいた。
「…………ふぅ。」
久々に“あの頃”の夢を見た。世界の全てを喰らい、滅ぼし、そして死ぬ夢を。
あの時俺は確かに死んだ筈だった。幾多の屍の先に辿り着いた俺だけの答えを完成させ、その成就を見届けた上で、名前も知らない男に、或いは女に殺された筈だ。
後悔は腐るほどあったが未練は無かった。俺は、満足して死ねた……その筈だった。
次に目を冷ました時、俺は冗談みたいに平和な世の中にいた。コジマによる汚染も無ければ、戦争も精々地域紛争レベル。完全とは到底言い難いが、パックス・エコノミカ何ぞより遥かにマシな世界がそこには広がっていた。
最初、ここは天国かとも思ったがどうも違うらしい。第一、俺みたいなのが天国に来れる筈が無い。俺程に罪深い人間が存在するなら是非見てみたいものだ。
俺が目を覚ましたのはアメリカのニューヨーク。そのダウンタウンの路地裏だった。情報収集と金策を兼ねて、そこらのヤンキーやらギャングやらと会話(物理)を繰り返している内にすっかり馴染んでしまった。
理屈はさっぱりだが、どうも俺は平行世界に転移してしまったらしい。最初は時間遡行かとも疑ったんだが、俺が全く知らないものがこの世界にはあった。
インフィニット・ストラトス
ISと略されるそれは、たった一人の天災クラスの天才が産み出したマルチプル・パワードスーツらしい。何故か女性にしか反応せず、その性能は現行兵器を軽く凌駕する。
公開されてるスペックを見たが確かに凄まじい。一般兵器はおろか、ノーマルACぐらいなら圧倒出来るだろう。ネクストは……腕次第だが相当難しいだろう。
ISはとある事情で400機も存在していないのだが……ネクストはカラードランク外や未登録機を含めても稼働機は精々50程度。つまり、イレギュラーの度合いが違う。
モンド・グロッソとかいう大会の上位者ならまだ分からないが並みのレベルなら“あの”ワンダフルボディやセレブリティアッシュにすら勝てないだろう。
だが……AMS以外のインターフェースであれだけの機械をああも自在に操れるのは驚きだ。適性の差こそあれ、特にリスクは無いというのだからマン・マシーンインターフェースとしてはISの方が優秀なのだろう。
それと、ISの影響で世の中女性優位のいわゆる女尊男卑思想が広がっている。最初は慣れなかったがそもそも俺の回りにはおっかない女性が多かった訳で……セレンは言わずもがなリリウム・ウォルコット、ウィン・D・ファンション、エイ・プール、シャミア・ラヴィラヴィ、ジュリアス・エメリー、スティレット、フランソワ・ネルス、ミセス・テレジア………うわ、俺よく生き残ったな。あ、
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ