暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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て消えた。そして、

「驚いた。君、アルベルトゥス・フォカロルの血族か」

気付くとガーデンベルグは私の右頬に触れていた。だけど身動きが出来ない。でも思考だけは働く。アルベルトゥス・フォカロル。幼少の頃、エリーゼの御父上エーベル様に引き取られる前、実の祖父母に、禁句だよ、と言われていた名前。

「テウタ。彼女を殺害するのは待ってくれ。神器王ルシリオン・セインテスト・アースガルドを討つ駒にしたい」

「はい。ガーデンベルグ様の御意志のままに」

ルシリオンとは誰? 誰とも知らない人を討つために、私を利用するの? そう思う反面、セインテスト、という名前に、まさか、という思いも生まれる。オーディンさんと同じセインテスト。そしてベルカでは見ない銀髪をしたガーデンベルグ。オーディンさん、私たちに嘘の名前を騙ってる? ルシリオンと言うのが本当の名前・・?

「アルベルトゥス・フォカロルの血族よ。今こそ目醒めの刻」

私とガーデンベルグの足元に、純白の光が生まれた。それは魔法陣。発光量が凄まじすぎてどういった形状の魔法陣かは判らないけれど。

「え?・・・う゛っ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!」

強烈な頭痛に叫び声を上げる。何か、何かが頭の中に流れ込んでくる・・・? ベルカ? ううん、違う。ベルカよりももっと寂しい鈍色の空。すぐ近くには広大な海。海面の至る所から爆発が起き、水柱を噴き立てている。時には剣やら槍やらいろいろな武装が勢いよく海面へ落ちていく。何が起きているのか確認するために辺りを見回そうとするけれど体は動かない。何故? それに、

「エレウシス様にも困ったものね」

私の口が勝手に動いた。口調が違って、声も私のものより大人びている。

「まったくだわぁ。孤人戦争ルシリオンさまってぇ、シュゼルヴァロード家の双姫さまやぁアルファデウスのお転婆姫さまのぉお客様でしょぉ〜♪」

ゆったり間延びした、ちょっとイラッとくる口調をした少女の声が隣からした。首が勝手に動く。その少女を見て、愕然となる。上半身は人間。でも裸。胸は鱗のようなもので隠れているけど。背中からは4枚の翼。片方は鳥の羽、もう片方はコウモリの羽。そして下半身が、伝奇で見たような竜の尾。

「孤人戦争? 神器王ではなかったかしら・・・?」

「どっちでもいいじゃない。結局、同じ人間のことなんだし」

「うんうん。そのルシリオンってぇ人間なのにぃ、最下層魔界の魔族相手によく持つよねぇ」

「彼、魔術師でしょ。元々私たち魔族の専売特許だった魔術を、人間の棲む表層世界にもたらした原初王オーディンの末裔と聞いている」

シュゼルヴァロード。オーディン。その末裔のルシリオン。途轍もない何かを生み出す欠片が集まってくる気がしてな
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