暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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る。“神意の玉座”との取引も終わり、“界律の守護神テスタメント”として留まる事はもう出来ない。だからエリーゼの想いには応えられないし、クラウスの手伝いは出来ない。

(ヴィータ達との約束・・・戦っては死なない。あぁ死なないさ。ただ役目を終えて消えるだけだ)

“神意の玉座”から解放されたルシリオンの本体である精神体は肉体へと戻れる・・・。それから“英雄の居館ヴァルハラ”に封印しているシエル、カノン、シェフィの遺体を他のアンスールと同じように霊廟に移して、魂を解放。・・・その後はどうなるだろうな。もう生き続ける理由は無い、な。いっそ自害でもするか。私の肉体を守り続けてくれているはずのフェンリルには悪いが。

(だってもう生きているのが辛いんだ・・・!)

2万年も存在してしまうと、生きる事に飽きてくる。

――有限は体を縛り、無限は魂を縛る――

有限無き無限と永遠の生の果て、幾度もの出逢いが霞むほどに幾度もの別れを重ね、それでも在り続ける事などただの苦痛でしかない。肉体に戻り、すぐさま自害をしようとした時、フェンリルはどういう反応をするだろうか。あぁ何ならフェンリルと結婚でもしようか。
いつかの契約で、人の姿になれる賢狼ホロと行商人のロレンスも、種族の壁を越えて結ばれていたしな。あの子たちは元気でやっているだろうか。いつか必ず失う事なるだろうその思い出をいったん区切り、現実に目を向ける。

「ですからシュトゥラと同盟したおまけに私は付いてこないですよ。フィロメーラ王女を含めガレアがクラウスの夢に協力してくれるのはすごく嬉しいですが」

「クラウス殿下の夢、ですか?」

「ええ。ベルカから戦を無くし、誰もが笑っていられる平和な世界を築く。しかも他の国を戦禍で滅ぼす事なく。まぁ最初の辺りは戦う事になるでしょうが、それでも最後には解り合って手を取り合い、そして築く平和」

「それはまた随分な理想論ですね」

「ええ、まったく。甘えた考えです。ですが――」

私の言葉を継ぐように「わたしも、そんな世界を見て・・・いいえ、築きたいです」フィロメーラは微笑んだ。ガレアの王(正式な王位じゃないだろうが)であるイクスヴェリアが、シュトゥラとガレアの同盟に協力してくれれば、クラウスの夢はまた一歩現実に繋がるはず。
聖王家のアウストラシア、冥王家のガレア、のちに覇王の名を持つ事になるクラウスのシュトゥラ、この3ヵ国が協力すればきっと・・・。だが、それは叶わない事を私は知ってしまっている。こういう時により強く思う。

(未来など知っていなければいいのに・・・!)

そうだったら心の奥底からクラウスの夢を応援できるのに。フィロメーラに「どうかなさいましたか?」と訊かれ、私は「いいえ。何でもありませんよ」と努めて微笑む。私は
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