暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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メーラ。さて。どのような話があるのか聞かせてもらおうか。と思っていたんだが、なかなか話が出ない。だったら「お話とはなんでしょう? フィロメーラ王女」こちらから切り出す事にしよう。

「はい。・・・騎士オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード。貴方はシュトゥラに協力しているとの事ですが、もしシュトゥラと同盟を結べば、その同盟国も守っていただけるのですか?」

あぁなるほど。私の“力”が欲しいのか。

「私の力など無用でしょう。クラウス殿下よりガレアの王――イクスヴェリア陛下の御力は聞き及んでいます。イクスヴェリア陛下の屍兵器マリアージュがあれば、戦場では事が足りるはず。戦場で死んだ屍を利用した人型兵器。戦場ではさぞ絶大な効果を発揮するでしょう」

そう言うと、明らかにフィロメーラの表情が悲しげなものに染まった。いや、フィロメーラとしてではなく、マリアージュを生み出し管理するイクスヴェリアとしての顔だ。
フィロメーラは意を決したように「イクスヴェリア陛下は、残虐非道の王だと言われていますが、本当は・・・」そこまで言って口を噤んだ。さすがに自分自身であるイクスヴェリアの汚名を庇うようなセリフは言えないか。「どうしました?」と訊ねると、フィロメーラは首を横に振るのみ。

「・・・いいえ何でもありません。騎士オーディン。先ほどの返答、いかがでしょうか」

「1つ質問があります。その質問に返答を頂ければ、私も答えましょう」

「・・・どうぞ」

私の問いへの返答いかんによって、私がガレアに協力するどうかが決まると見たフィロメーラは少々緊張してしまっている。

「私の“力”を求めようとしたのは、イクスヴェリア陛下か? ヴィンツェンツ王子か? それとも・・・あなたの判断ですか? フィロメーラ王女」

フィロメーラは真っ直ぐ私の目を見詰め、深く考え込み始めた。ああ、君の本心を聞かせてくれ。咄嗟の嘘くらいならば見破れるぞ。2万年と培ってきた人を見る目は伊達じゃないからな。

「貴方を求めているのは、イクスヴェリア陛下であり、そしてわたしでもあります」

「(彼女自身が私を求めている、か)・・・そうですか。ならば約束通りお答えします。私がシュトゥラに協力しているのは、私の生きる目的がイリュリアに巣食っているからです」

私がベルカの人間でない事も、“堕天使エグリゴリ”の事も、シュトゥラに協力している理由も、話す。そして「イリュリアを潰し、エグリゴリを全機救えば、私はシュトゥラを離れます」とも。当然だ。ベルカ戦争にこれ以上関わると、確実に歴史が変わるだろう。
元よりアースガルド・グラズヘイム城にて時間凍結封印を施されている私の肉体に不死と不治を掛けた堕天使ガーデンベルグを救えば、そう時間を置かずして私は世界から消え
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