暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
[11/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


『大丈夫だよ、エリーゼ』

小鳥が喋った・・・って、あ、使い魔か何かなのね。 エリーゼは小鳥を介してオーディンさんと話をしていたわけか。こんな便利なモノがあるなら、もっと以前から使っていればよかったのに。

「そんな根拠のない、大丈夫、を言われても安心なんか出来ませんっ! アンナからも何か言ってあげてよっ。オーディンさん、無茶ばっかりして、きっと壊れちゃうよっ!」

エリーゼの必死さ、そして私自身の受け入れがたい恋心。それらの想いと一緒に「自己犠牲などがカッコいいと思っているんですか? 確かに馬鹿ですね」つい冷たく言い放ってしまったわ。心のうちで、もっと言い方というものがあるでしょ、私の大馬鹿、などと頭を抱える。

『あはは、いつも通りのアンナのようで良かったよ』

「っ・・・!」

オーディンさんが私の身を案じてくれている。ダメ、にやけてしまう。必死ににやけるのを抑えつつ、「はい。心身ともに問題ありません。助けて下さってありがとうございました」努めて口調は冷静に(内心は心臓バクバクで狂いそう)して礼を言い、

「オーディンさん。自己犠牲なんかカッコよくありません。一体どういった経緯でその結論に達したのか、今起きたばかりの私には判りません。ただ、あなたのその行為によって助かる人もいれば、悲しみ苦しむ人がいるのは忘れないでください」

「アンナの言うとおりですよっ」

『と言われてもな。もう手が無いんだ。クラウスやオリヴィエ王女殿下、ダールグリュン帝やイクスヴェリア陛下らも困っている』

とんでもない名前が出てきてクラッとなる。そしてオーディンさんから語られる、私の知らないベルカの現状。

(私がイリュリアに拉致されてからたった1日でこうも状況が逼迫するだなんて・・・)

ミナレットに続いてエテメンアンキなんてふざけた兵器が、今日の正午、テウタからの降伏勧告を受け入れなかった国を蹂躙する・・・。それを防ぐためにオーディンさんが、自分の持つ魔導でどうにかしようと必死になって。その対応策には膨大な魔力が必要なのだけど、オーディンさん個人の全魔力を使って足りる量らしい。だけど、その魔力を生み出している中で魔導を発動すると、記憶が消失。

『――魔力供給が連続で行えればいいが、エリーゼの能力の使用限界回数は1日2回。発動から維持となるとそれでは追い付かない。なら・・・・仕方ないじゃないか』

諦観めいたオーディンさんの声が小鳥から零れる。エリーゼが「ごめんなさい」と頭を深く下げた謝ると、『エリーゼは何も悪くないよ』優しい声色で諭すオーディンさん。何か良い手が無いかと必死に思考を巡らせる。正直オーディンさんでも諦めているとなると、私の頭では考えられないかもしれないわ。

「わたしと同じ魔力供給できる能
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ