暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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†††Sideオーディン†††
眠りこけてしまったアギトとヴィータとアイリを用意してもらった寝所で休ませた後、クラウスとオリヴィエと別れた私とシグナムは、2人きりで詰所の通路を歩いている。虫の鳴き声もない静かな夜。ガラスの無い窓枠から入ってくる月明かりは優しく、あと数時間で滅亡の危機に陥ってしまうかもしれないとは思えないほどだ。
議会場へ戻るまでの間、シグナムとの会話は無い。彼女はあまり話好きではないからな。しかし気まずくはならない。それどころか気を遣う必要がないと判っているため逆に心地いい。中庭と通路を繋げるアーチの前で私は足を止める。数歩先に進んだシグナムが「オーディン、どうかしましたか?」と私に振り返った。
「・・・・いや、議会場に戻る前に少し考え事をしようと思ってな」
アーチを潜り中庭へと出る。「では私もお供します」シグナムも私に続いて外へ出た。空を見上げれば雲一つとしてない夜天が広がり、月はミッドチルダと同じ2つ。枯れた噴水の縁石の上に寝転がり、頭の後ろで組んだ腕を枕代わりにして夜天を見詰める。考える事はただ1つ。エテメンアンキを相手に、私単独で攻略できる方法だ。一撃で破壊できる魔道は扱えない。
ならば攻撃を段階的に加えるのはどうか。効果も威力も高い儀式魔術の連発による殲滅。“異界英雄エインヘリヤル”による包囲攻撃。だがどれを成してもエテメンアンキのカレドヴルフによる報復攻撃を受け、全滅か・・・。
そもそも攻略に必要な戦力を“英雄の居館ヴァルハラ”や“英知の書庫アルヴィト”から召喚する魔力が扱えない。魔力放出だけならガンガン行けるが、魔道発動に変換するとアウトだ。
「結局、問題は魔力の制限になるのか・・・!」
その問題が解決できさえすれば、私単独でカレドヴルフの対処が出来るはずなんだ。
「こうなれば記憶を犠牲にしてでも・・・」
「いけませんっ!」
私の足元の方に腰掛けていたシグナムが急に立ち上って叫んだため「うおっ?」驚いて縁石から地面に転がり落ちた。「大丈夫ですかっ?」と心配して手を差し伸べてくれるシグナムに「あはは、格好悪いところを見られたな」苦笑いで応じて、手を取って立ち上る。しかし「何で急に叫んだんだ?」気になるのはそれだ。だから2人で縁石に座り直して、シグナムにそう訊ねる。
「何でも何もオーディンが、記憶を犠牲にしてでも、と仰ったので」
「・・・声に出してたか・・・?」
「はい。ハッキリと」
「あー・・・すまない」
無意識にポロッと零していたようだ。シグナムは「考えましょう。貴方が犠牲にならない方法で、エテメンアンキを破壊する方法を」と真剣な、そして諭すような目で真っ直ぐ私を見た。しかし、と口答えをするかそれとも、そうだな、と素直に頷いておくか。正直無傷で
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