第百二十六話 神戸の残暑その十一
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「思った以上に美味しいね」
「イギリス人は知らないかも知れないけれど」
「これは確かにいいですね」
「洋菓子にワインはいいわ」
「特にケーキが」
「そうだね、まあイギリスはね」
そのティーセット発祥の国はというと。
「ワイン採れないからね」
「あっ、そうでしたね」
「そうそう、あそこはビールやウイスキーの国で」
ビールは細かくエールと呼ばれるものもある、隣国で歴史的に因縁の深いアイルランドもビールやエールの国だ。
「ワインはないんだ」
「作ることが出来ませんでしたね」
「土地が悪いjからね」
そのせいでだ。
「葡萄を作るのに適していなくて」
「それで、でしたね」
「ワインはなかったんだ」
「全て輸入でしたね」
「そうだったんだ」
だからパタリロでバンコラン少佐はいつもステーキとワインという食事で朝食欲がないのでワインボトル一本が朝食だったりするけれどそこにイギリス産のワインはない筈だ。
「あそこはね」
「何か寂しいですね」
「まあそうだね」
「食文化はどうもというお国ですが」
「ワインがないとね」
本当にだ。
「寂しいね」
「そうですよね」
「だからこうした飲み方もね」
ティーセットでワインを飲むこれもだ。
「ないからね」
「寂しいですね」
「全くだよ、ただね」
「ただ、ですね」
「今は知ってるかな」
そのイギリスの人達もだ。
「こうしてワインでティーセットを楽しむことは」
「だといいですね」
「基本は紅茶にしてもね」
それもミルクティーだ、ここで間違ってもレモンティーとはならないのがイギリス人だという。レモンティーはアメリカ人らしい。
「ワインもいいよね」
「それも赤ですね」
「甘いね」
「ワインというとフランスでしょうか」
「イタリアとかスペインとか」
南欧だ、ギリシア神話でもよく出て来る。
「そちらだね」
「そうですね」
「スパゲティに合うしね」
美沙さんも二本目を飲みつつ言ってきた。
「ワインは」
「そうだよね」
「赤がね」
「それかロゼだね」
「イタリア料理にはそっちよね」
「ビールよりもいいかもね」
「ビールってドイツってイメージ強いから」
美沙さんにしてはだ。
「スパゲティ、パスタ全般にね」
「ワインだね」
「赤ね、やっぱり」
「そうした組み合わせがいいんだ」
「あたし的には」
こう僕に話した。
「そう思うわ、まあ和食に赤ワインは合わないけれど」
「和食には白だね」
「すき焼きは別にしても」
この鍋の時は例外だというのだ。
「魚介類やお野菜ばかりだし」
「あっさりとしたね」
「やっぱり和食でワインを飲むならね」
「白だね」
「それに限るわ、まあ正式な場でワイン飲むのはね」
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