0197話『大型台風にさらされて……』
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と、
「……その、鳥海さんと遊びたいなって、思ったんです」
「藤波さんってたまに私のところに来ては遊んでいくんですよ。よく昔の事も思い出すみたいで……」
「あっ! 鳥海さん、恥ずかしいからそういうのは無しで!」
「ふふ、ごめんね」
昔の件か……。
藤波と鳥海の史実の話となると、
「鳥海が沈んだ後に藤波が乗員を救出した件か?」
「司令……知っていたんだ」
「まぁな。そこらへんはこの世界に来てから学び直した事なんだけど……だとすると早霜の事ももしかして後悔しているのか?」
「それは、ないです……理由はどうであれ姉妹を見捨てるなんて藤波にはできません。だから艦長の判断は否定されるものの仲間を救おうとしたんですから悪くは言えません。もち言えません」
そう藤波は言い切った。
それならよかったんだ。
史実で藤波は座礁した早霜から空襲の知らせを受けるも不知火とともに無視して救出しに行って、直前の救出していた鳥海の乗員ともども空襲で失うという悲劇を体験したからなにかと思う所はあると思っていたんだ。
でも、そこら辺を分かっているなら話でしか知らない私が口出しできる事でもないよな。
「……そうか。ならいいんだ。無粋な事を聞いて悪かったな」
「いえ、大丈夫です。……クシュンッ!」
そこで藤波が可愛いくしゃみをしたので、
「ああ、もう。だから言わんこっちゃないな。鳥海、そろそろお風呂も沸いている頃だから入って来なさい。着替えはちょっと大きいけど二人分用意しておくから」
「わかりました。迷惑をかけてすみません提督。さ、行きましょう藤波さん」
「はい。クシュンッ!」
またくしゃみをしながらも二人はお風呂へと入っていった。
さて、これで一応は安心かな?
それで二人がお風呂に入っている間に私はまず高雄の部屋へと備え付けの電話でかける。
『どなたですか……?』
「私だ高雄」
『まぁ、提督でしたか。どうしました?』
「ああ。そちらに鳥海が帰ってきていないと思うけど今藤波と一緒に私の部屋のお風呂に入っているから台風が過ぎた後に還すようにするよ」
『そうでしたか。わかりました。でも、鳥海ったらこんな時にまったく……』
「怒らないでやってくれな?」
『ふふ。わかっています。それでは提督失礼しますね』
「ああ」
それで高雄との電話を切った後に今度は夕雲へとって感じで電話をかけておいた。
これで安心かな?
夕雲なんかはやっぱり心配だったらしく安心した溜息をついていたから。
これで後私がすることは着替えの用意くらいか。
「しかし、鳥海はともかく私の着替えはやっぱり藤波には大きいけど大丈夫だろうか……?」
《大丈夫ではないでしょうか……? パジャマなんですから多少は融通が利くと思いますから》
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