第三十八話
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
厳しい。
「ほんと、千尋くんのファインプレーね。」
「あ、やっぱり唯も気付いてた?」
大輝は椅子から立ち上がると、ポットのある台に移動する。コーヒーでも淹れるのだろう。
「まぁね。」
まず、千尋の通信。
『もー、疲れた!』
『ぐっ、イテテテテ』
『ルートに気を付けろ?』
頭文字を取ると、『もぐる』。水中に隠れていると言うわけだ。幸いにも、台風が通過したばっかりのため、水が濁っていた。
さらに、そのあとの木曾たちも上手かった。
木曾は基本的に自分で決定するから、他人に質問することはあまりない。
それで、長門に『暗号を送る』と言うことを伝えた。これは赤城に対してもそうだ。
そして、赤城の返答。
『心変わりはしないわよ?』
『物分かりがいいね。』
つまり、『裏切っていない』と、『分かった』だ。
分かったの前には、恐らく、『その場に応じて』とかのメッセージを送ったのだろう。
「しかし、よく千尋くんはとっさに思い付いたね。読み取った木曾や長門もだけど。」
「地味に暗号に気付いてた時雨と摩耶もね。」
話によると、実は二人とも赤城が裏切ってないことは知っていたらしい。それこそ、例の暗号だ。
「さてと、それじゃ、私はすこし行ってくるわね。」
私はそう言うと、執務室の扉に手をかけた。
「え、どこに?せっかくブラックとカフェオレ淹れたのに。」
大輝の両手には一つづつコーヒーカップがあった。何も聞かずに淹れてくれるのはありがたい(因みに、ブラックは私だ)。
私は扉を開けると、こうひと言言った。
「赤城に、貴方の弱味を見せてもらうのよ。」
―第五十七回 鎮守府鬼ごっこ大会開催の合図だった。
―一方そのころ―
「そう言えば赤城。提督の弱味というのはなんだ?」
「あぁ、大淀さんにそっくりの人を特集してるピンク雑誌。トラック基地の提督がベッドの下で見つけたらしいわよ。」
「(まてまて…………それ、俺が貰ったやつじゃねぇかよ!二冊買ったのかよ!!)」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ