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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第三十八話
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厳しい。
 
「ほんと、千尋くんのファインプレーね。」
 
「あ、やっぱり唯も気付いてた?」
 
大輝は椅子から立ち上がると、ポットのある台に移動する。コーヒーでも淹れるのだろう。
 
「まぁね。」
 
まず、千尋の通信。
 
『もー、疲れた!』
 
『ぐっ、イテテテテ』
 
『ルートに気を付けろ?』
 
頭文字を取ると、『もぐる』。水中に隠れていると言うわけだ。幸いにも、台風が通過したばっかりのため、水が濁っていた。
 
さらに、そのあとの木曾たちも上手かった。
 
木曾は基本的に自分で決定するから、他人に質問することはあまりない。
 
それで、長門に『暗号を送る』と言うことを伝えた。これは赤城に対してもそうだ。
 
そして、赤城の返答。
 
『心変わりはしないわよ?』
 
『物分かりがいいね。』
 
つまり、『裏切っていない』と、『分かった』だ。
 
分かったの前には、恐らく、『その場に応じて』とかのメッセージを送ったのだろう。

「しかし、よく千尋くんはとっさに思い付いたね。読み取った木曾や長門もだけど。」
 
「地味に暗号に気付いてた時雨と摩耶もね。」
 
話によると、実は二人とも赤城が裏切ってないことは知っていたらしい。それこそ、例の暗号だ。
 
「さてと、それじゃ、私はすこし行ってくるわね。」
 
私はそう言うと、執務室の扉に手をかけた。
 
「え、どこに?せっかくブラックとカフェオレ淹れたのに。」
 
大輝の両手には一つづつコーヒーカップがあった。何も聞かずに淹れてくれるのはありがたい(因みに、ブラックは私だ)。
 
私は扉を開けると、こうひと言言った。
 
 
 
 
 
「赤城に、貴方の弱味を見せてもらうのよ。」
 
 
 
 
 
―第五十七回 鎮守府鬼ごっこ大会開催の合図だった。
 
 
 
 
―一方そのころ―
 
 
 
 
「そう言えば赤城。提督の弱味というのはなんだ?」
 
「あぁ、大淀さんにそっくりの人を特集してるピンク雑誌。トラック基地の提督がベッドの下で見つけたらしいわよ。」
 
「(まてまて…………それ、俺が貰ったやつじゃねぇかよ!二冊買ったのかよ!!)」
 
 

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