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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第三十八話
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号だ。
 
『分かったか』と。
 
「さぁな。こうも均衡状態だとな(ピクピクピク)。」
 
『もちろん』。
 
ふむ、となると…………。

「なぁ、赤城さんよ、ちょっといいか?(ピクピクピクピク)」
 
オレは赤城さんに向けても暗号を送った。
 
『裏切ったのか』
 
「何かしら、心変わりはしないわよ?」
 
「…………あぁ、そうかい。なら、話すこたぁねぇや(ピクピクピク)。」
 
「ふふ、物分かりがいいね。」
 
オレは赤城さんとの会話も終わらせる。
 
さてと………………。
 
 
 
 
チェックメイトだ。
 

 
 
「飛べ!」
 
オレが叫ぶと、時雨と摩耶は後ろに飛んだ。すかさず、二人に砲撃しようとする重巡。流石によく鍛えられていた。並の相手なら、直撃してるだろう。
 

 
もっとも、この呉じゃあ無かったらな。
 
 
 
 
ザパァン!キンッ!
 
 
 
 
水柱が立ち、そこから長いものが出てくる。それは、飛んできた砲弾を真っ二つにした。

そこには、全身ずぶ濡れで、右手に軍刀を持って立っている千尋の姿があった。
 
こないだから天龍に教えてもらっといて色々と良かったな。
 
いきなり海の中から艦娘が出てきて焦った戦艦は、千尋に向かって砲撃しようとする。
 
「遅いわっ!!」
 
しかし、長門さんの方が速かった。
 
吹き飛ばされる戦艦。
 
後に知ったのだが、長門さんは、「手だけ狙ったのに、クリーンヒットしてしまった。」と言っていた。よく相手沈まなかったな。
 
さてと、いつもならオレが重巡をぶっ飛ばして終了だが…………。
 
まぁ、絶望してもらおうか。
 
「くっ、せめてコイツだけでも…………っ!」
 
重巡は直ぐ近くにいた千尋に砲門を向けようとしたが、できなかった。
 
何故なら、赤城さんが構えている矢を重巡の後頭部にコツンと当てたからだ。
 
「前払いで報酬貰っといて良かったわ。こっちは勝てておまけに副賞たっぷり!」
 
にこやかに赤城さんは言ったが、重巡は絶望の表情を浮かべていた。
 
「さてと…………完全勝利ってことで良いよな?」
 
オレの言葉に、その重巡は頷くしか無かった。
 

 
―執務室―
 
 
「いやぁ、今回のMVPは間違いなく千尋くんだね。これなら上もなんの文句も出ないだろうね。」

満足そうに頷く大輝を見て、やれやれと思う。
 
「いや、正直赤城が裏切ったかもと聴いたときは本当にあったんですけど。それに、木曾と長門は後先考えずに突っ込んでくし…………。」
 
実際、赤城は裏切って無かったから、何とか勝てはしたろう。完全勝利は
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