94終わりの始まりの悪夢
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。
「先週、一時間目の休み時間、二年の女の子から告白されたって本当ですか?」
栞は明らかに、美汐と祐一のやり取りを勘違いしていた。
「え?」
ガシャッ!
栞は弁当を詰めた鞄を、その場に力無く落とした。
「人前で体を撫で回して、その子が真っ赤になったり、契るとか、契らないとか妊娠させられたとか、身に覚えがあるかどうか聞かれたり、最後に跪いてお願いされて、家族に会うのをOKしたら、その子が泣き出したって本当ですか!」
やたら具体的な内容を並べ、祐一を責め立てる栞、きっと女の噂と数人の証言から、会話の内容をできるだけスキャンダラスに捻じ曲げて、奇跡の濃いのヒロイン達に通達したに違いない。
「違うっ」
ここでようやく、真琴が帰って来たのを早く知らせたくて、ニ年のフロアまで行ったのが間違いだったと気付いた。
美坂姉妹から逃げるためとは言え、手紙、後から電話など、肉体的接触を避け、会話内容を聞かれないようにして、契るの契らないの、生きるの死ぬの言って泣かせたり、家族に面会するのを応諾したのは非常ょ〜〜うに問題があった。
噂では新しいメスを毒牙にかけた三叉最低男が妊娠もさせ、セキニンを取るように言いに来て、家族に挨拶に行くか、ショットガンマリッジでもさせられるのが学校中の話題になってしまった。
「もう一年の女子で、この話を知らない子の方が少ないんですよ、それと告白された相手が祐一さんで、長期病欠していた子とも付き合っていて、中庭でお弁当食べてるのを知らないのは、一人だっていません」
この世で光より早い物、それは女の噂話… 祐一の頭の中で、下らない例えが渦巻いていた。
「それに、次の休み時間、その子と友達が遊びに来て、一緒に肉まんを食べたって本当ですかっ?」
情報源は隣にいる姉。
「今でも昼休みに一緒にいる人が、お姉ちゃんの友達だって説明するのが大変なのに、私これからどんな顔して学校へ来たらいいんですか?」
もうダラダラと涙を流し、体を震わせている栞。
「いやあれは家の真琴と仲のいい子に、真琴が帰って来たって話してただけなんだっ」
「真琴さんって誰ですか?」
さらに墓穴を掘り下げる祐一。
ヒュ〜〜〜〜〜〜〜
雪… 雪が降っていた、暖かい春の日差しの中で、少年は雪の結晶を見た。
「いや、昔、家で飼ってた狐だ」
「へえ?確か15,6歳で、スレンダーで栗色の髪の可愛い子でしょ、記憶喪失だったのを祐一が拾って来た。好物は肉まん、それと口癖は「あう〜〜」だったかしら。
名雪情報と、直接対面して全てを知っていらっしゃる香理さん。
「そんなっ、嘘って、嘘だって言って下さいっ!」
更に災厄が降りかかり、従姉妹の少女まで参戦した。
「香理が言ってるのは本当だよ、栞ちゃん」
そこに、どこから来たの
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