94終わりの始まりの悪夢
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朝も早くから、家の前で心の声全開で命令している美汐を止めるため、秋子ちゃんが歩いて来た。
「あっ、おはよう御座います、秋子様。以前、何度かお目に掛かった事があると思いますが、私は天野の家の3世代目です。以後、お見知りおき下さい」
「ええ、貴方の事はよく知ってますよ。7年前は祐一さんがご迷惑を掛けてしまいましたね」
事件の顛末も、その後の美汐も知っていた秋子。しかし、力が弱っていたので、天使の人形が行使する力には逆らえず、全てを見守る事しかできなかった。
それは今も変わらず、祐一から力を分けて貰おうとしたのも、いざと言う時、祐一の魔物達を止めるためでもある。
「いえ、迷惑だなんて、とんでも有りません。 また巡り会えただけでも… それに、もう一度こうやって……」
また涙声になって、言葉に詰まり、祐一にしがみ付く美汐。
「私達も祐一さんの消息を探すのに、時間が掛かってしまいました。貴方と縁が出来てしまった祐一さんの分身は自分の体に帰ろうとせず、他の祐一さんに吸収されてしまいました。それからも姉さんが余りにも上手く逃げていたので、倉田の家が探し出した時には、もうこんな事に…」
「はい」
多分、国外に逃亡する前に拉致されて、秋子に『命令』を受け、祐一に穏当な理由を話して送り出した秋子の姉と夫。
現実は出張ではなく、外国で軟禁され、傭兵にでも守られているらしい。
ちなみに「こんな事」とは、天使の人形こと、祐一の魔物が大きな災厄を起こしかけている状態で、祐一の両親が地球の裏側にいるのは、もし何かが起こっても生き残れる可能性が高い場所に送られたためである。
「でも、女同士の戦いは公平にお願いします、術を使って命令してはいけませんよ」
「はい、ですが、学校での相沢さんの悪評を断つのはお許し下さい」
「ええ、その程度なら構いません。祐一さんに女性が近付かないようにするには良い噂だったんですけどね」
その笑顔を見て、祐一が「知ってたのかコノヤロー」と思ったかどうか、定かではない…
しかし、その夜、秋子が復讐され、泣いて許しを請うまで指で何時間も男子高校生の体力で掻き回され、娘が寝ている床下でドーブツのような喘ぎ声を出し、風呂場で何もかも垂れ流すまでヤられたかどうかも定かでは無い。
学校でも、腕を組んだまま祐一を連れ歩く美汐。その姿は先週、美汐を止めようとしたクラスメートにも目撃された。
『天野さんまで、あんな男の言いなりに』
『やっぱり、あの時に止めておけば』
もう甘々のベタベタで、うっとりした表情のまま歩いている美汐。
それを見たクラスメートは、美汐が祐一に「変なお注射」をされて、美坂姉妹のように「体が離れられない不潔な関係」にされたのだと後悔していた。
「天野さん、その男から離れてっ、でないと」
そこで
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