94終わりの始まりの悪夢
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
秋子の家
タッタッタッタッ! ザシュッ、ピンポーン
また朝早くから水瀬家までダッシュで来て、インターホンのチャイムを押す香里。
「祐一ちゃ〜ん」
ピンポ〜ン
「起きて〜〜」
ピンポ〜ン、ピンポ〜ン
今日も「ひろゆきちゃん」の家と同じ状況の水瀬家。
タッタッタッ、ザシュッ!
「お姉ちゃんっ!」
タイム差にして30秒以内で栞も到着した。二人とも完全に回復したらしい。
「あら、おはようございます、祐一さんはまだ帰ってないんですよ」
「「えっ?」」
また真琴や名雪のような、邪魔者が増えた予感がして、嫌な汗を流す香里と栞。
「昨日は真琴のお友達の、天野さんの所に行って、急に「お泊り」になったんです」
「「はあ…?」」
そこに、「ゆうくん」と腕を組んだ美汐が水瀬家にやって来た。真琴はまだ操られたまま、二人の後ろを付いて来ている。
「祐一っ!」
「祐一さん!」
それを見付けて、ダッシュで駆け寄る美坂姉妹。
『おはようございます、美坂さん』
二人の鬼のような顔を見ても、以前のクラスメイトと姉に向かって平然と答えられる美汐。
一般人にはない凄い胆力で、今まで潜った修羅場や苦痛の数、トラウマスイッチの量も桁違いだった。
「あんたは先週のっ、まだ祐一に付きまとってたのねっ」
「祐一さん、まさか天野さんともっ?」
ここでもし美汐の支配力より美坂姉妹の怒りと暴力が優れば祐一はタヒぬ。
ミサカでもビリビリさんの電撃は無いが、鳳凰幻魔拳とか鳳翼天翔食らって、マーマの沈没船が深い所に沈んでマーマの亡骸も崩れたる幻覚を見せられ「死んだか?地獄を見てもう指一本動かせまい」とか言われながら聖衣の胸を貫かれてタヒぬ。
栞さんにもオーロラエクスキューション食らって、スリーピングコフィンで固められる。
『よく聞いて下さい、私も相沢さんに命を助けられたんです。いつ死んでもおかしくなかったのに、今ではこうして元気に出歩けるようになったんです。お二人ならこの意味、分かって下さいますね?』
「「え? ええ……」」
その言葉に嘘は無かったので、美坂姉妹の心の奥底に届いた。美汐も「ゆうくん」がいなければ、死んでいるのも同然で、昨夜、二人と同じように命を吹き込まれ、蘇ったばかりである。
『では、これからは私達『お友達』ですね『学生らしい適切なお付き合い』を心がけましょう』
括弧内をさらに強調し、二人に不純異性交遊を禁止した美汐。しかし、自分だけは不適切な関係を続けるつもりでいた。
「ええ…… そうね、貴方もそうだったのなら、私達、難病シスターズって所かしら?」
「うふふっ… お姉ちゃんったら……」
既に虚ろな目になって、敵とも楽しく会話してしまう美坂姉妹。
「おはようございます」
そこに、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ