第十五幕:ふたつの虹と一緒に
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、柚樹君?」
時崎「あ、凪咲さん。お疲れ様です」
七夏「今日は柚樹さんが、おむすびを作るの手伝ってくれて、助かってます♪」
凪咲「まあ、ありがとう。柚樹君!」
時崎「いえいえ。手伝うどころか、七夏ちゃんの足を引っ張ってしまって・・・」
七夏「そんなことは・・・感謝してます!」
凪咲「それで、台所が賑やかだったのね」
時崎「騒がしくて、すみません」
凪咲「賑やかな事は歓迎します!」
時崎「ありがとうございます」
・・・で、結果的に七夏ちゃんの作ったおむすびと、俺の作ったおむすびは、一目瞭然で分かる差がある・・・というか時間の経過で差が出てしまった。形の不揃いもそうだが、俺の作ったおむすびは巻いた海苔が剥がれかけている・・・。七夏ちゃんが素早く作っていた理由がここにあったのかも知れない。ごはんが冷めない間に海苔を巻く工程まで辿り着けないと、ご飯と海苔がしっかりとくっつかないという事か・・・七夏ちゃんにコツを聞いてみようかと思ったが、おむすび作りだけでなく、七夏ちゃんの事を聞かなくても分かるように努力しようと思う。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
昼食は「おむすび」・・・今回は、俺の作ったおむすびも一緒に並んでいるが、いつも七夏ちゃんが作ってくれていたのだと、改めて感謝する。
七夏「いただきまーす♪」
凪咲「では、頂きますね」
凪咲さん、七夏ちゃんは、俺の作った不揃いで海苔が剥がれかけているおむすびを手に取り口に運んでくれている・・・俺は、申し訳ないと思いつつも、感謝の気持ちが上書きされてゆく喜びを実感した。
七夏「ん! 美味しく出来てます☆」
凪咲「あら、美味しい! うなぎ!?」
七夏「はい☆ あ、柚樹さんもどうぞ!」
時崎「ありがとう」
自分で作ったおむすびを「美味しい」と言って食べてくれる・・・今まで味わった事のない、こそばゆく、恥ずかしい感覚に、どうコメントしたらいいのか分からなくなる。七夏ちゃんが作ってくれたお料理を、俺が美味しいと言った時の、七夏ちゃんの嬉しくも恥ずかしそうな表情と、同じ気持ちと感覚であろう何かが、俺の心の内側から満たされてきた。
<<七夏「お料理は楽しいです♪」>>
以前そう話してた、七夏ちゃんの気持ちが、心の内側から分かった事が、何よりも嬉しかった。
七夏「柚樹さん? どうかしました?」
時崎「おむすび作りって、面白いなと思って」
七夏「え?」
時崎「まさか、拍手するとは思ってなかったから」
七夏「くすっ☆ 拍手をすると、ごはんが熱く思えなくなりますので」
時崎「拍手にそんな意味があったとは・・・」
凪咲「柚樹君、拍手で七夏の応援だと思ったのかしら?」
時崎「はい!! まさにそれです!!!」
七夏「お、お母さん!!!」
凪咲「懐かし
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