ターン81 邪魔の化身とラスト・『D』(邪)
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腕を振り、三日月形をした光のカッターを連射する。顔色一つ変えないエドをよそにディフェンドガイめがけてまっすぐ飛んで行ったそれは、しかしその巨体に到達する寸前で見えない壁に阻まれたかのように明後日の方向へ向きを曲げる。
万丈目の舌打ちが聞こえた。エドの場で、1枚のカードが表になっている。
「だがアームド・ドラゴンのエフェクトには、致命的な弱点がある。それは裏側守備表示のモンスターに対し、その効果は何の意味もないということだ。速攻魔法、皆既日触の書を発動!全フィールドのモンスターを裏側守備表示とするこの効果なら、アームド・ドラゴンも空振りだな」
「なんとエド・フェニックス、アームド・ドラゴンの効果の裏を付いた!おじゃ万丈目、これでは完全にコストの払い損だ!これこそが新人のおじゃ万丈目と、プロとしての経歴も長いエド・フェニックスとの実戦経験の差だというのでしょうか!?」
いや、一概にそうとも言い切れない。確かにディフェンドガイの破壊こそ失敗はしたが、見方を飼えれば伏せカードを使わせたともいえるし、アームド・ドラゴンが低い守備力を晒してしまうのはともかく手札コストの損失に関してはそこまで痛手でもない。ただ手札を無駄に捨てただけならともかく、皆既日蝕の書には強力な性能と引き換えにそれなりのデメリットもあるからだ。
「逃がしたか。ならばカードを1枚伏せ、これでターンエンドだ。そしてこのターンのエンドフェイズを迎えたことで……」
「……皆既日食の書のもう1つの能力により、お前のアームド・ドラゴンはリバースされる。そしてその数1体につき1枚、お前はデッキからドローすることが許される。だが、ただでというわけにはいかないな。永続トラップ、便乗を発動!このカードは、相手プレイヤーがカード効果によるドローを行った時にのみ発動できる」
万丈目の言葉の後を継ぐように、説明の後半をエドが行う。だけど、便乗か。あのカードは確か、これ以降万丈目がカード効果によるドローを行うたびにエドもまたカードを2枚引くようになるカードだったはずだ。恐らく、本来は表側守備表示だと相手にドローさせるデメリットの発生するディフェンドガイとのコンボで使う予定だったのだろう。万丈目の予想外の猛攻に、このターン中に便乗を発動するためには皆既日蝕の書を切らざるを得なかったというところか。
万丈目も同じ結論に至ったらしく、少し嫌そうな顔こそしたもののすぐに気を取り直す。
???→アームド・ドラゴン LV7 守1000
「便乗……まあいいだろう、この1枚は引かせてもらうぞ」
「このわずか往復1ターンの間に、目まぐるしく戦況は変化しております!しかしアームド・ドラゴン、その守備力はわずか1000!これはおじゃ万丈目にとって、かなりの痛手と言えるでしょう!」
おじ
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