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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン81 邪魔の化身とラスト・『D』(邪)
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ーも相まって全国から注目の集まる大チャンスには違いない。そんな大事な時に、プロとしてはまだ駆け出しの万丈目がアクシデントを自分から起こしにいくというのか。僕はまだプロでもなんでもないからともかくとして、仮にもプロがこれだけ大きな機会を棒に振るなんて……成功しても失敗しても、失うものが大きすぎる。

「皆まで言うな。カードを盗んだのが奴だとしても、元はといえばそれを止められなかったのはエドの付き人だった俺の不始末。本当ならば俺1人で片を付けたいところだが……いつも世話になってすまないな、清明」

 それでもう話は終わりとばかりに立ち上がり、ロッカーから例の着ぐるみを引っ張り出す。もう着替えるから出ていけ、ということだろう。ま、チャクチャルさん並みに貴重な万丈目のデレシーンが見れただけでもよしとしますか。できれば万丈目なんかより女の子、特に夢想やレア度高そうな葵ちゃん辺りの方がよかったんだけどなあ。
 ……なんて考えているとは、まさか万丈目も思うまい。それにしても、こうやって聞くだけですでに穴だらけのプランではあるが、事前の仕掛けがだめになった以上この策に乗るしかない。1度だけ頷いて、控え室を出て行った。





「お待たせしました全国各地のデュエリストの皆さん、デュエルチャンネルのお時間です!今回私たちはなんと、つい先日も訪れた海馬コーポレーションのお膝元、デュエルアカデミア本校へとまたまたおジャマしています!」

 ついこの間も来たレポーターのお姉さんが、またしてもマイク片手にカメラに向かって元気にしゃべる。あの人も、まさかこんなすぐにまたここに来ることになるとは思わなかったろう。と、ここであの時と同じように、あざとく耳に手を当てて体を傾ける。

「……おやおや?おジャマ?そうなんです!なんと今回デュエルを行うのは、つい先日この番組でデビュー戦を捉えたあの大型新人、おじゃ万丈目!対するは最近まさかの電撃引退を果たしたプロデュエリストにしておじゃ万丈目の師、貴公子エド・フェニックス!なんと彼はこの1戦に自らの復活を賭けているとのことですが、これは自らを追い込むことで師弟の情を切り捨て、本気のデュエルをするという決意の表れなのでしょうか!そうだとすれば、おじゃ万丈目にとっては何と凄まじい試練となるのでしょう!」

 なるほど、エドの引退をそう絡めてきたか。感心しながら見守っていると、デュエル場の両端から今日の主役2人がゆっくりと歩いてきた。たった1人でやってくるエドに対し、後ろにいかにも小物そうなスーツ姿の男を控えさせる万丈目。恐らく、あれがプロデューサーのマイクとやらなんだろう。

「両者ともに気合は十分、一触即発の雰囲気が漂っております!もはや2人に言葉は無用、ということでしょうか!それでは私も、もはや語ることはありま
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