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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン81 邪魔の化身とラスト・『D』(邪)
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 もう少し寝かせてやるつもりだったけれど、十代のほうから来たなら話は別だ。カタツムリで遊ぶ時の要領でちょいちょいと触角のような目を突っついてやると、すぐに跳ね起きて辺りを見回す。僕らの顔を認識すると、突然その両目からぶわっと涙が溢れ出した。

『よかった、会えてよかったわ〜!お願い、万丈目のアニキを助けてあげて!』
「助けて?万丈目を?」
「どういうことだ?」
『実は……』

 涙ながらにおジャマ・イエローが語りだした話は、なかなかに嫌な話だった。エドのために開発されたという最後のDカードとその紛失、十代と万丈目のデュエルに賭けられていたエドの進退、そしてその全てが現おじゃ万丈目のプロデューサー、マイクの手のひらの上で起きていたこと。
 そういえばエドも、光の結社事件の時にはかなり手慣れた様子で盗聴対策を考えて動いていた。プロの世界ってのは、どうしてこう生々しく嫌な話ばかりついて回るのだろう。それを呑み込んでこそのプロの表舞台、だなんて口で言うのは簡単だけど、なんともスッキリしない話だ。

『……っていうことなのよ。でもマイクってあの嫌な男、用心深くて全然隙がないものだから、アニキもそのカードがどこにあるか探すチャンスもないって……だからオイラがこうやって、小包に隠れてアカデミアまで来たってわけ。お願い、このおジャマ・イエローの顔に免じて、アニキをあのプロデューサーから解放してあげて!』
「事情は分かったけど、そんなこと言われてもな……大体、万丈目はもうこの島に居ないんだろ?俺らのところに来てどうしろってんだよ」
『それについては、え〜っと……あったあった、これよぉこれ!』

 十代のもっともな指摘に1瞬言葉に詰まるも、部屋の中を見回してあるものを見つけたイエローがすぐに気を取り直す。そのままふよふよと飛んで行った先には、さっき僕がのけておいた大量の雑誌の束。その中の1冊を指さして、もう片方の手でこっちこっちと手招きする。その本の表紙にはおじゃ万丈目のアップ写真と、その特集記事のタイトル。

「『ファン必読!おじゃ万丈目、今月おジャマするスケジュール一覧』……これ?」
『そう、これなのよん』

 言われるがままにぱらぱらとページをめくると、イエローお目当てのページはすぐに見つかった。横から十代が覗きこんでくる気配を感じながら、予定表とやらの該当箇所を読み上げる。

「えっと……2日後にアカデミアで、我らがデュエルの一番星、おじゃ万丈目対地獄帰りのダークヒーロー、エド・フェニックスによる師弟対決?」
『アニキの話だと、この時にもそのプロデューサーはくっついてくるはずだから、この島についてから試合が終わるまでに何とかしてほしいって。だからお願い、ねっ?』
「そんなこと言われてもなあ……要は、試合中にこっそりそ
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