暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
93マコピーと美汐のお婆さんの家
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
〜ん」
「あ〜ん」
 
 食後、美汐の人形と化した真琴は、皿洗いから風呂の支度まで命じられ、テキパキと仕事をこなしていた。
「嘘だ、あの真琴が皿も割らないで、片付けするなんて、それに薪で風呂を沸かすなんて知ってるはずが無い」
「今、真琴は私の分身なの、だからこうして「しつけて」行けば、普段も炊事や洗濯もできるようになるわ」
「ほう」
 無職、無能力で体だけの真琴が、人並みの生活を送れるようになるまで、美汐に預けて訓練して貰おうと本気で考える祐一。しかしその報酬が、「ゆうくんも一緒に暮らしてね」なのは考えないでも分かった。
「祐一、美汐、お風呂沸いたよ…」
 操られて、虚ろな目をした真琴に呼ばれた二人。
「じゃあ、一緒に入りましょうね、ゆうくん」
 もちろん、その時の美汐の表情は、香里と同じく、断れるような生易しい物では無かった。あえて言えば、7年の情念が上乗せされた分、さらに恐ろしい物と化し、妖狐だけに狐火や、怪しいオーラが背後に見えていた。 そこで祐一が言えたのは一言。
「はい…」
 今回は、それ以外の選択肢は無かった。

 37話後半と同じなので割愛。


、翌朝、目覚ましが鳴ると、祐一の上に乗っていた柔らかい物が動き出し、アラームをすぐに止めた。
「ゆうくん、おはよう」
 柔らかい物は、目を擦りながら祐一の上に覆い被さり、昨日の出来事が夢では無かった事を確かめるように、おはようのキスをした。
「お、おはよう」
 この時点で、寝起きの良さ、健康状態、炊事、洗濯、家事、知識、礼儀作法、忠誠度などの全てで、秋子ちゃんを除く他の女を圧倒している美汐。
 幸せと喜び以外にも、また祐一を失う怖れから、小刻みに身を震わせる。その不安を打ち消すように、祐一の両手は美汐を抱きしめ、背中と頭を撫でて行く。
(美汐の背中ってサラサラしてるな)
 昨夜は余り堪能できなかった少女の体に触れ、「つい」他の女と比べてしまった祐一。
「あっ、ゆうくん、私の背中、毛深いって思ったでしょっ」
「いや、そうじゃなくて」
 残念ながら、祐一の上に乗っている少女には、読心術どころか、そのまま心の声が伝わってしまう特殊技能があったため、浮気どころか、浮気心も持てなかった。
「それにチラっと「香里さんの方がウェストが細くて、お尻も小さかった」とか、「足も細くて長かった」とか、「フェロモン系で髪の毛から凄く良い香りがした」とか思ったでしょっ」
「お、思ってないぞ」
 あの香里でさえ、祐一と繋がりができた途端、声が聞こえたので、元から縁のあった美汐には、祐一の深い部分まで読み取る事ができた。
「そっ、それに「真琴の足首の細さって私の手首ぐらいで、私のふくらはぎより、真琴の太ももの方が細い」って思ったでしょっ、悔しい〜〜っ!」
「うぐぅっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ