93マコピーと美汐のお婆さんの家
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ずっと会いたかったのっ! うわあああ〜〜〜っ!!」
もちろん、祖母、真琴などのギャラリーは、完全にアウトオブ眼中で泣き叫ぶ美汐。
(ゆう君って何だ? もしかして俺の事か?)
あゆタックルどころか、舞の攻撃に匹敵するぶちかましを受けても、平然としている祐一。
「何してんのよ美汐っ、祐一はアタシのなんだからねっ、ちょっとぉ」
「うあああっ! あああ〜〜〜〜〜っ!!」
同じ7年でも、捨てられたと思って恨んで過ごした7年と、生木を裂くように引き裂かれ、相手が死んだと思い、どんどん思い出が純化されて来た7年では、天と地ほどの開きがあった。
『良かった、良かったのう美汐』
年を取って涙もろくなっただけでなく、可愛い孫が喜ぶ姿を見て貰い泣きするお婆さん。
(中略)
ちょっと頬を膨らませて怒る美汐。最初は「栞との約束が先で、婚姻届では香里が先」などと言い訳しようとしたが、現時点での先約と結婚歴のタイトルホルダーは美汐だった。
「すまんっ、多分、別の俺だから、記憶は無いみたいだ、それにあの頃の事は殆ど覚えてなくて」
「うん、いいよっ、昔みたいに何でも教えてあげるっ」
ほんの20分前とは完全に別人になって、優しく微笑んでいる美汐。 もう「みーちゃんの恥ずかしい所」でも何でも教えてくれちゃうらしい。
「あう〜〜〜〜〜〜」
その間、真琴がほったらかしになっていたのは、言うまでも無い。
その日は、美汐のお婆さんの家で泊まる事になった二人。美坂姉妹の襲撃から逃げられたのは助かったが、もちろん夕食は美汐の手料理で、その上。
「はい、ゆうくん、あ〜〜ん」
「いや、自分で食べられるから」
祐一は箸も持たせて貰えず、全部美汐に食べさせて貰っていた。さすがに飲み物の口移しは辞退したが。
「ひどい、ゆうくんっ、昔はずっとこうだったじゃない、私にも口移しで飲ませて」
「ゆ〜う〜い〜ち〜〜!」
今まで、美汐の余りの取り乱しようと、感動の再会を邪魔しないよう我慢していた真琴だが、「口移し」の言葉を聞いてキレたらしい。
キューーン
そこでまた美汐が指を一振りすると、純血の妖狐であるはずの真琴の動きが止まった。
『そのまま大人しく、ご飯を食べていて、真琴。眠くなったら寝てもいいのよ』
「うん……」
「それも何かの術なのか?」
「うん、普通はこれで動物を操るんだけど、この前みたいに人間の心も変えられるの。真琴はまだ幼いから掛かっちゃうのね」
「俺には?」
「ううん、ゆうくんには効かないの、私が「恋の魔法」にかかっちゃったから(ポッ)」
「…………」
もう完全にヤバイ領域に入っている美汐の目付き。香里のように「策略と民衆の声」以外の武力を持たないのと違い、美汐は人知を超えた「何か」を持っていた。
「はい、あ〜
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