EX回:第7話(改2)<演習開始>
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「……あれが司令の言っていた量産型艦娘たちね」
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マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)
EX回:第7話(改2)<演習開始>
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既に広場を始め、ひな壇型の観客席や付近の海岸線に至るまで見物客で一杯だ。一部、報道機関らしい航空機も飛んでいるが、遥か遠くから様子を窺っている。これはホントに一大イベントだな。
ただ艦娘の火力は実際の艦船に相当するから海上での見物は一切制限されている。
私と秘書艦はブルネイの五月雨に案内されて来賓席に座った。別の子が私たちに何かの器具を渡してくれる。それは通信機のようだったが、あまりにも小さい。今までに見たことのないタイプだった。
「これは?」
「インカム……ご存知ありませんか?」
ちょっと不思議そうな顔をした五月雨。
「あ……あぁ」
それでも一応は知ってるフリをした。通信器具らしいが初めて見る型だ。
「えーっと耳に当てて話すのかな?」
適当に着けてみたら五月雨が慌てたように言った。
「提督、反対です」
「え?」
思わず顔が火照った。恥ずかしい。
彼女は「失礼します」と言いながら遠慮がちに私の器具を付け直してくれた。チラッと横目で見ると美保の艦娘たちも苦笑していた。
私個人的には恥ずかしかったが、これがきっかけで場が和んで緊張が緩んだ感じだ。
「やれやれ……」
少し気が楽に成った私は秘書艦の隣の椅子に深く腰をかけた。
五月雨は秘書艦を含めた他の美保の艦娘たちに言う。
「本日の中継は通常のラジオ電波でも同時に放送されています。チャンネルは複数ありますので各自で同調して頂ければ幸いです」
それを聞いてそれぞれ頭をひねるような素振りを見せる。同調か……艦娘は便利だ。
ふと隣のテントを見るとブルネイの大将が居た。彼は始めっからインカムすら付けていない。
一瞬、あれ? と思った。
私は思わず五月雨に聞いた。
「彼……提督は着けないのか?」
チラッと自分の指揮官を見た彼女は直ぐに笑顔で頷く。
「はい。提督はいつも私たちに全て任せて下さいますから」
「なるほど」
それを聞いて私は納得した。
要するにブルネイ艦娘たちの訓練は十分だ。自主的に判断し戦うから彼はこの場では特に何もしない。状況を逐一聞かずとも全てを委ねる……そんなところか。
「彼は自分たちの艦娘を信頼しているのだな」
私が言うと彼女は恥ずかしそうな顔をした。この辺りの初々しい雰囲気は美保の五月雨と同じだ。
このブルネイの様子を見るだけでも艦娘の量産型が実用化された事は
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