ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
1話 すべての始まり
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ィニューできない状態、しかも自身の命がかかっている状態というこの状況では、いったい100層まで極めるためにいったいどれほどの時間がかかるのだろう。
「それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ」
「プレゼント…?」
少女と青年は、このチュートリアルの大方の内容のほとんどは予想で来ていたが、特に何も驚くことはなかった。しかし、この茅場の言葉は意外なものであった。
全プレイヤーが自分のメニュー画面を開き、アイテムストレージを見た。そこには二文字の漢字。“手鏡”。少女もとにかくそれをオブジェクト化してみる。すると、目の前に四角い手のひらサイズの鏡が現れた。
少女はその鏡を手に取った。そこには、このゲームが始まるときに自ら作ったアバターの顔がある。正直位置から考えるのは面倒くさい部分もあり、自分の顔に似せているところも多い。
と、その時、鏡の中の自分が白く光りだした。先ほどの転移の時の青白い光とは違う、真っ白な光だ。しかし、それも数秒のことだった。目を開ければ、また転移されているようなこともなく、先ほどと変わらない始まりの街。…いいや、違う。街自体は一切何も変わっていない。しかし、周りの人々が変わっていたのだ。色とりどりな髪や瞳、顔、体型、背までもすべてが違う。その中には、女性プレイヤーから男性プレイヤーに変わっていたプレーヤーさえいた。恐ろしくなるほどの美男美女の集団が、一瞬にして現実味を帯びた顔をしている。
「え…」
少女も自分の手の中にある鏡をのぞき込む。長いまつ毛に縁どられた灰茶色の大きな瞳が、自分を見返していた。
「…リア?」
その声を発した人物のほうを向く。リアルでは毎日顔を合わせる関係であるが、この世界にあってはおかしい顔。そして、その声。
「…ツカサ君?」
肩につかない程度に切りそろえられた髪に、漆黒の瞳が印象的な、そして完璧なまでに整った顔の美青年。
「…ほんとに現実のまんまだね。何もかも」
自分の手のひらを興味深そうに眺めながら少女、いや、リアがつぶやいた。
「リアも、な。…それにしても、よくこんなことできたな」
ツカサも感心したように鏡を見ている。
「ナーヴギアで顔の形は正確に把握できるし、セットアップの時にキャリブレーションで体を触ったときにデータをとったんだと思う」
「なるほどな。…これが茅場の言っていた現実ってことか」
「そうだね。自分のリアルの体で死ぬ可能性のあるリアルの戦いをすること。…確かに現実世界に驚くほど近い」
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