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勇者にならない冒険者の物語 - ドラゴンクエスト10より -
転生
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いと言いながらよく動く身体で、ハイキックをお見舞いする。
倉門のハイキックは見事に犬男、シードッグの延髄にクリーンヒットしていた。
「ゴブラッ、意味わかんねーんですけどワンオ・・・・・・」
つぶやきながら頽れるシードッグを見下ろしていると、だんだん痛みが復活してくるのを実感した。
激しく動いたせいか、痛みがさらに倍。
「ふ、・・・ふふふ・・・。マジで。・・・いやマジで・・・。こんな身体で人を抱えて泳ぎ切ったあいつ尊敬するわ・・・。これは・・・死んで当然だよな・・・。頑張った。うん。お前頑張ったよ。よくやった。そしてまた死ぬ俺・・・・・・・みたいな・・・・・・?」
「お、おい! 倒れてはだめだ! しっかりしろ!」
あわてて支えてくれるエルフの美少女。
この激痛がなければ、さぞおいしいシチュエーションなのにな。と、心なしか残念に思う。
「お、終わったようですにゃあ。いやー、助けに入ろうかどうか迷ってたんですが、おにいさんおつよいですにゃあ〜」
(なんだろう、この死にそうな状況で癇に障る話し方が聞こえる。声色はかわいいっぽいがなんかむかつく)
「そ、その恰好は僧侶か!? 頼む! 治癒の魔法をかけてくれ! 今すぐにだ!」
「なんぼもらえますかにゃ? 無償で〜というわけにはいかないんだにゃあ〜。こうみえてこの破戒僧ジアーラちゃんは慈善事業で僧侶をしているわけじゃなく冒険者として僧侶をしているわけであって」
(どうでもいいわそんなもん。にゃーにゃーと。お前は猫か)
「緊急だと言っている! 金なら後で払う、だから今は治癒の魔法を・・・」
「えーどうしよっっっっっかなぁーーーーー。後で払うってミニ浴衣に下半身下着のエルフにすごまれたってなあーーーーー!」
(やばい、こいつすごいむかつく。というか、もう感覚がなくなってきた。・・・というか・・・)
「どう見たってお金持ってるように見えないしにゃああああ!?」
「くっ、貴様には人情というものがないのか!?」
「人情で人は食っていけないにゃ」
「この、くされオーガが!!」
「にゃっは〜、ほめられちった〜〜〜」
「ほめとらん!!」
(あー・・・なんかもう・・・視界真っ暗だし・・・もうどうでもいいや・・・あ、別の人の身体で死んだ時って、俺の魂どうなるんだろう・・・流石に消えるかな・・・?)
ぐらりっと円を描くように大きく揺れるウェディの身体。
あっという二人の女の声が聞こえた気がした。
倉門は、再び意識を闇の淵に落とそうとしていた。
「にゃ!? マジで死にそうだったにゃ!?」
ばたりっと、砂浜に仰向けに倒れ込む。
「ああ、まて! 死ぬな! 目を開けろー!」
「
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