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勇者にならない冒険者の物語 - ドラゴンクエスト10より -
転生
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こりゃあ!! 全身打撲というか筋肉痛というか骨折してるというか内臓破裂してるというか!?」
「う、こ、この魚野郎、死んでなかったワン!」
「どっちにしたって瀕死の魚に何ができるワン! ナマス斬りにしてやるワンオ!」
犬どもが腰の曲刀を引き抜いたのを見た瞬間、倉門の頭にざざっと音が鳴るほどに急激に血が上る。
痛みは何故か消えた。
そして、大きく振りかぶって襲い掛かってくる一匹の剣を握る拳に向かって前蹴りを一閃。
ぐぎりっと嫌な音がして、犬の右拳は人差し指から小指まで綺麗に折れていた。
「あ?だワン?」
その手から転がり落ちる曲刀。
さくっと砂地に刺さる。
「あーーーー!だワン! いってーワン! 折れたワンオ!?」
何も考えずに倉門の身体は動いていた。
喚き散らす犬の顔面に向かって左ストレート。腰を回して返す刃の右フック。
倉門のパンチは、見事に犬男の顎を打ち砕いていた。
「アーオ! アンアンオ!!」
痛みに砂浜の上を転げまわる犬男。
きっと、もう一匹をにらみつけると、そいつは及び腰になりながらも切っ先だけは向けてきた。
「さ、魚ぬくせに・・・。いい度胸! だワンオ・・・。今日のところは見逃してやらなくもないワンオ」
「へーそー、じゃあさっさと回れ右して逃げ出してくれよマジで。割とマジで。頼むよ」
じりじりと後退りをする犬男は、くるりと背を向けるや、
「アーーーーオーーーーーーーン! アンアンアオーーーーーーン!」
ぴくりっと、倉門のこめかみに青筋が浮かび上がる。
そうと知らず得意げに遠吠えを続けた犬男は、どや顔で振り向いて言った。
「ばーかめぇ! 仲間を呼んだワン。貴様など刺身にしてモンスターの餌にしてやるんだワンオ!」
ばたばたばたっと、林の向こうから数体の犬男が曲刀を片手に姿を現す。
「Cドッグ見参!」
「Dドッグ見参!」
「Eドッグ見参!」
「Fドッグ見参!」
「「「「「合わせて合計、4(シー)ドッグ!」」」」
「なめてんのか!!!!!」
怒涛の勢いで倉門が流れるようにワンツースリーコンボで次々とノックアウトしていく。
え? あれ? という顔で仲間を呼んだ等の本人は呆けていた。
ゆらりっと視線だけを向ける倉門。
「あんれー・・・おあとがよろしいようで〜・・・」
「意味不明なこと言ってんじゃねーぞ。そう何回も、2回も、3回も、死んでたまるかよ。というか、俺は非常に頭にきてんだよわかるか」
「あのう・・・、そこのご婦人に手を出そうとしたからでしょうか・・・?」
「俺が今まさにまた死にそうになってるからだよ! 怪我のせいで!!」
怪我のせ
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