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勇者にならない冒険者の物語 - ドラゴンクエスト10より -
転生
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りを見渡し始めた。
倉門と視線が合う。
思わずぎょっとするが、エルフの美少女は気に留めることもなく海の方に視線を移した。どうやら偶然見つめあう形になっただけで、彼女には倉門は見えていないようだ。
彼女は気が済むまで周りを観察すると、ようやくといった形でウェディ族の青年の身体をゆすって声をかけ始めた。
「おい、おい無礼者。どうやら私たちは助かったようだぞ。不本意ではあるが貴様には礼もしなくてはならんようだしな。おい、ほら、さっさと起きないか」
『いやいや・・・無駄だよお嬢さん。そいつとっくに死んでるから・・・』
エルフの美少女は倉門の声に気づくはずもなく、頑なに起こそうとしていた。
声色がだんだん震えてくる。
「貴様は勝手に私に恋文を出したり、声をかけてきたり、慇懃無礼な奴だとは思っていたが。こうして見るとまぁ顔は悪くはないな」
『それ、ほめてねーから・・・』
「ほら、さっさと起きないと砂浜のフライパンでウェディのから揚げになってしまうぞ。いや、ころもは無いからな。ウェディの蒸し焼きか?」
『怖いことおっしゃりますね。かわいい顔して』
「ほら・・・、だんだん潮が満ちてきている。ウェディといえども流石に溺れてしまうぞ・・・?」
『魚型の種族ってことは、海の中で呼吸できるんじゃないのかな・・・。地上で生活してる種族なら、というか哺乳類に分類されるなら水で呼吸できるわけではないのか?』
「・・・ほら、・・・お腹もすいただろう?・・・向こうにヤシの木がある。・・・貴様、取って食べられるようにしてくれたら・・・いろいろ・・・許してもいいぞ・・・」
『色々?! どこまでの色々?』
馬鹿な突っ込みに、エルフの美少女の言葉が重なる。
「いろいろは・・・色々だぞ・・・文字通り・・・・・・・・・・・・」
声の震えが限界に達しようとしていた。
泣いてしまうんじゃないだろうか?
聞こえないのをいいことに馬鹿な突っ込みを入れて遊んでいた自分が急に恥ずかしくなってくる。
だって仕方ないじゃないか。助けようにも体はないし、声も届かない。見ているしか出来ないのにどしろっていうのさ。
「目を・・・・・・・・・・・・」
あ、
これは、、、
やばい、、、、、、
「お前まで・・・・・・勝手に・・・助けて・・・・・・勝手に・・・・・・・・・・・・・」
どうしよう、もう見てられないんですけど。
でも、何もできないんですけど。
くそウェディめ、勝手にあきらめて成仏しやがって!
どうすんだこの状況!
「こんな事なら・・・アズランを出るのではなかった・・・・・・・・・・・・!!」
ついに涙腺が決壊して大量の涙を流し始めるエルフの美少
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