92真琴襲来
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も買ってやろう」
「ほんとっ」
普通は「犬じゃないでござる」とか「狐なんだけど」と怒りそうなものだが、冗談も分からず嬉しそうにしている真琴。
「ああ、それに紐を付けて、駅前や商店街を散歩させてやる」
「なによっ、それ?」
「あの、相沢さん、そんな高度なプレイをしていると、外国なら逮捕されますよ(ポッ)」
耳年増なのか、プレイの内容がわかって顔を赤くする美汐。
「じゃあネコミミと尻尾もサービスしてやろう」
「あうっ?」
「不潔ですっ」
さらにマニアックなプレイを聞き、耳を塞ぐ美汐。
そこで肉まんを食べている間、祐一はある実験をする事にした。
(天野、聞こえてるか)
へんじがない、たたのしかばねのようだ。
(俺はお前の事が好きになった)
すると急に顔色を変え、横を向く美汐。
(始めて会った時から、俺達はどこか似ていると思ってた、同族だなんて知らなかった、これは運命かも知れない、もっと早くお前と出会っていれば良かった)
今度は俯いて赤くなり、少し震え出す。
「じゃあ……、真琴はどうするんですか?」
ついに祐一の罠にかかり、心の声に答えてしまった美汐。
(ニヤリ)
今までの「何か言いましたか?」の正体を掴み、会心の笑みを浮かべる祐一。
「?… 騙しましたね、相沢さん」
「うっ」
怒る美汐の周りには、狐火が浮かんでいるような気がした… そこでまた心の嘘を重ねる祐一。
(好きだと言ったのは嘘じゃない、でも他の女にも同じ事を言う男は信用できないだろうな、すまん、忘れてくれ)
「もうやめて下さいっ」
(心の声で嘘はつけないんじゃないか? 確かに俺はお前を試した、だけどそれは口に出すのは恥ずかしくても、一番お前に伝えたかった事だ)
そう聞くと、頭に上った血が、また頬や耳に戻って来て、顔が真っ赤になる美汐。
「そ、そんな…」
多分、男に告白されるなど初めての経験に違いない、それもこれだけのギャラリーの前で。
「ちょ、ちょっとこっちに来て下さいっ」
袖を掴まれ、階段の方に引っ張って行かれる祐一、ここでも手を握らないのが美汐らしい所だった。
『相沢さんは、心の声が大きすぎるんです、周りに同族がいたらどうするんですか? 全部聞こえてしまうんですよっ』
校舎の外で、真っ赤になった美汐のテレパシー攻撃を受ける祐一。
つい「ぼ、ボクはジョミーマーキス・シンとか言いながら頭を抱えようとしたが、美汐にぶっ殺されるので断念した。
「そう言う物なのか?」
『そうです、私の他にも、相沢さんの声が聞こえる人がいませんでしたか?』
少し考えると、一人だけ祐一の考えを全部当ててしまう少女がいた。曰く「あはは〜、祐一さん、全部声に出して喋ってましたよ〜」と。
「ああ、いるな」
『ではその人も、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ