91学校に来る災厄
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さんは、先代の女王候補だったけど、人間と恋に落ちて、そのままこの世界に残ったんじゃないだろうなっ)
受け入れ先としては、最高のロケーションで、設定としてもぴったりだった。
(くううっ、萌える、萌える設定だっ、そうか、もう一人はっ)
「あはは〜、実は佐祐理は、魔界から来たプリンセスだったんです〜」
(くううっ、これも萌えるぞっ)
「何か言いましたか?」
いつもの妄想を始めようとしたが、今回は美汐に睨まれて断念する。
「いや… 何でもない」
『嫌っ、また新しい女の子と話してる』
『信じられないっ、最低〜』
現実から逃避しても、祐一の鬼畜の噂は消えていなかった。
「…弁解の時間をくれるか?」
「大丈夫です、私はあんな噂、信じてませんから」
「そうかっ、そう言ってくれるのはお前だけだ…」
ここ数日の苦痛を思い、本気で泣きが入る祐一君。
ここでエロゲーあるあるで、同じセリフが別ルートでも繰り返されてしまう。お約束の機能「次の選択肢まで飛ばす」が無いのでスクロールするしか無い。
「でも、教室の前で待ち伏せるなんて、何事です?」
「実は真琴が帰って来たから、早めに教えようと思って」
「真琴が? 帰って来たんですかっ」
マコピー帰還だけは伝えておくが、祐一の言葉に、いつも冷静なはずの美汐も驚いていた。
(中略)
「相沢さん? 今まで自分の願い事が、異常なほど叶った覚えはありませんか?」
確かにこちらに来てからというもの、女に不自由した覚えも無く、香里と栞と真琴に至っては奇跡の生還を果たしていた。
「……ある」
「そうですか、じゃあ、お願いがあります」
「何だ? どうしたんだ?」
「一度、祖母に会って頂けませんか? 真琴も一緒に連れて来て下さい、お願いします」
「ああ、会うぐらいならいつでも」
もちろん、「病気の祖母と契って元気にして欲しい」と頼まれれば断るつもりではいた。
「ありがとう、ございます、きっと祖母も喜んでくれます」
いつもと違い、涙声で話しながら嬉しそうにする美汐。
「おい、泣くほどの事じゃないだろ、どうしたんだ今日は?」
「はい、こんな時勢ですから、話しても馬鹿にされるだけです、それに、また真琴に会えるなんて……」
もしかすると、自分もまた、あの子に会えるかも知れない、そう考えただけで本格的に泣き始めてしまう美汐。
頭を撫でて落ち着かせる祐一、美汐もそれを避けず、されるがままになっていたが、これを普通の人間に換算すると、「他の生徒が見ている前で、抱き合っている」ぐらいのチャレンジだった。
「酷いっ、もう天野さんにまであんな事をっ、誰か先生を呼んで来てっ」
階段の下に隠れていた生徒が小声で話していたが、まるで美汐が犯される寸前のような表現をしていた
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