ゾイドSS?
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るなら、リーゼの方に行くんだぞっ、分かったか?」
「!! …バンッ!」
両手で口を押さえ、バンの言動に驚くリーゼ。
「いいんだね? ボクでいいんだねっ?」
「ああ、ニコルも分かってくれるさ」
その時、二人には、あの幼い声で「わかったよ」と聞こえたような気がした。
「ニコルッ! うっ、あ、ありがとうっ、バン… グスッ、うううっ」
泣き崩れたリーゼを支え、泣き止むまで背中と頭を撫でてやる。
(リーゼって、痩せてるのに柔らかいんだな?)
最初は「少年」とまで呼ばれ、胸までペッタンコだったリーゼも、抱き寄せると体中柔らかく、いい匂いがしてバンの脳天を直撃していた。
(こう言う事情だ、フィーネだって分かってくれるよなジーク?)
分かってくれません。
その頃、帝国中心部にあった、撤去不可能だったデスザウラーの残骸に、被せるように新設された修復工場では。
「止まれっ! 何者だっ!」
『ガーディアンフォース、エルシーネ・リネ・フィーネですっ! 式典会場にデスステインガーが出現し、バン・フライハイト大佐が誘拐されましたっ!』
「「「「「おおっ!」」」」」
救国の英雄の一人が現れ、先程の事件の速報と同じ内容を知らされ、驚く兵士達。
『修復中のデスザウラーを徴発します、作業を中止して下さいっ』
「無理だっ、まだ動かせるはずが無いっ」
「行くわよっ、ジーークッ!」
「ウオオーーーン!!」
修復されていたデスザウラーに、ジークとフィーネが融合し、残りの部分も修復されて行く。
「凄い… 自己修復してるぞ」
「退避しろっ」
「荷電粒子ファンもコンバーターに交換されてる、シールドの出力は…? 行ける、これならデススティンガーの直撃にも耐えられるっ」
『工場内の方はすぐに退避して下さい、デスザウラーを発進させますっ』
「動くぞっ、逃げろーーっ!」
わらわらと逃げて行く整備兵や作業員達。
『デスザウラー、発進っ!』
後に、その名の通り、「終末の魔女」と呼ばれる、フィーネちゃんザウラーが起動した。 なぜ個体識別名があるかと言うと、敵が「リーゼちゃんザウラー」だからである。
その頃、デススティンガーのコクピットでは。
「ありがとう、バン……」
すっかり険しさが取れて穏やかな表情になり、それからもずっと、お腹を押さえて、涙を流し続けていたリーゼ。
(何か、聖母像か、そんな絵みたいだな…)
初めて愛し合った相手に、目の前でこんな表情をされ、好きにならない方がどうかしていた。 しかし自分の役目は終わってしまったので、思わず声を掛けてしまう。
「なあ、リーゼ、もう俺って…」
そこでバンの質問を遮るように一言。
「二人目は女の子の方がいい?」
「えっ? ああ、元気だったら俺はどっちでも…(ポッ)」
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