暁 〜小説投稿サイト〜
GS美神他小ネタ18菌
ラブかゆ
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話

 どうしてこうなちゃったんだろう……
「いいんですね?」
 今、私の上には、精悍な彼が、いえ、精悍にならざるを得なかった彼が、バスローブだけ羽織った私を、優しい瞳で見つめてる。
「私がいいっって言ってるんだから、これでいいのよっ!」
 私、こんなになってもまだ強がり言ってる。本当は彼に抱き締められたいのに、耳元で甘い言葉を囁いて欲しいのに、口から出るのは、こんな憎まれ口ばかり。
「昔から、ずっと好きでした」
 そう、彼は昔から、ずっと私だけを見ていたはずだった。あの時、少しだけ私の元を離れて、まるで別人のようになって帰って来たあの時までは。
「そんなの、言わなくてもバレバレなのっ、あんたは私以外の女じゃダメなのよっ」
 強がっていても、だんだん言葉が弱くなって行く。そして私自信も弱くなっていた、いくら霊力が上がっても、何マイト強くなっても、彼の前ではどんどん弱くなって行ってた。
 ふわさっ
「いい香りだ。俺、この髪の香りで人生変わっちまったんですね」
 彼が覆い被さって、風呂上りの私の髪の香りを肺一杯に吸い込む。初めて出会った時の事を思い出しながら。そう、その調子よ、あなたは私だけのモノ、余計な事は思い出さなくていいのよ。
「そうね、でも私も変えられちゃったんだから、ちゃんとセキニン取りなさいよっ(ポッ)」
 私のバカ、声まで震わせて赤くなって、まだ何もしていない彼にこんな言い方して。いつから私はこんな交渉下手になったの? ダメッ! このままじゃバレちゃうっ、私の方が彼を好きで好きで仕方ないって事が。
「いいですよ、元からそのつもりでしたし」
 視線をそらし、顔を背けていた私の髪を優しく撫で、ゆっくりと顔を近付けて来る。
「あっ!」
 何て目で見るの? そんな目で見られたら、どんな女でも…… でもそこで私も気付いてしまった。彼が私を通り越し、遠い彼方にいる誰かを見ている事を。
 チュッ
 まるで小鳥のような唇と唇が触れ合うだけのキス、彼と私の初めてのキス、たったそれだけで私の瞼から暖かい雫が伝って落ちた。何がそんなに悲しいの? 彼が私を見ていないから? それとも。
「そんなに優しい顔で笑ってくれるなんて、初めてですよ」
 私が笑ってる? そう、私の体は喜んでいる、これから彼に抱かれ、彼の物になり、彼を独占できる事を。
「バカねっ、あんたのキスが下手すぎて笑ってるのよっ」
 私じゃない私が、勝手に強がって喋ってくれる、もう彼にはバレてるって言うのに。でもそうしてくれなかったら、私は泣きながら彼にしがみ付いて、全部告白してしまったに違いない。
「大好きですよ。こんな時は、関東じゃあ「愛してる」ですか?」
 もう言葉なんてどっちでも良かった、はにかんだ彼は私を見て言ってくれた。その時、体の中を暖かい感情が駆け巡
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ