ボツネタ「ああっ、おキヌちゃん様」より
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いえ、警護役を仰せつかりました」
「大丈夫ですか? 横島さんっ! この人はお友達ですっ(ボソッ)とっても大切な……」
「わかり申した、以後気を付けます。 しかしこの男、余りに獣欲に満ちておりましたので、まわしを取られただけで穢れが移ります、お気を付け下さい」
「こ、こいつ…… 感動の再会に何しやがる……」
壁から落ちて絵文字になっていた横島が、息も絶え絶えに答えた。
「ごっつぁん言わんかいっ!!」
「それは「ああ播磨灘」や…」
軽々しく神様に抱き付こうとした横島が許せなかった恐山、そして…
「次はあたしの技を喰らわせてやろうか?」
隣では柔道着姿の石神も現れ、ボキボキと指を鳴らしている。 多分、妙神山の右門と左門の鬼より怖いに違いない。
「け、結構です…」
「あんたはちゃんと「様」を付けて、3メートル以内に近付かないようにする事。 影も踏んじゃだめよ」
「はい……」
自分の丁稚が神様に良からぬ行いをしないよう、美神からはストーカー並の判決が下りた。
「それにしても、別れ際にあんなに泣くから、一生会えないのかと思ったじゃないっ」
「すいません… 私もてっきり前みたいに、封印されて動けなくなると思ってましたから」
本当の姉妹のように、泣きながら抱き合って再会を喜ぶ二人。 美神には良い印象を持っていないはずの恐山も、横島のように張り飛ばしはしなかった。
「ねえ… 今度はお給料、いくらがいい?」
やはり金、神様し対しても、まずは金の交渉から始める美神令子。
「いえ、お給料は貰えないので、神社の方にお賽銭をお願いします」
「まあ、おほほほほっ、いいわよ、これからもよろしくっ」
「はいっ!」
またはした金で、こき使えると思って笑っている女と、自分の日常を取り戻し、損得抜きで喜んでいるおキヌ様。 この辺りが二人の人生を分ける分岐点だった。
それからは、日帰りできる場所なら「神様」が吹く笛で大抵の霊は成仏し、お札などの必要経費も無くなり、「ただ同然」の文珠を併用し、精霊石も使わなくなった美神事務所は、大層繁盛したと言われている。
もちろん宗教法人である氷室神社を隠れ蓑にして、脱税し放題だったのは言うまでも無い……
そんな平和な日々が、いつまでも続くかと思えたが…
「堕落させてやる」
「ええ、姉上」
どこかの姉弟が、おキヌや横島達を狙って、邪悪な笑みを漏らしていた。 今回の指令は、美神令子と言う強欲で我侭な、魔族ギリギリの女を味方にして、自分達のアクセスポイントを都心に建設する事だった。
その後… 美神事務所は魔族のアクセスポイントになり、令子ちゃんはメフィストの名前を回復して、丁稚どんも下級「間」族として長生きしたらしい。
そして双方の管理人である、メフィストとおキヌは妙に仲が
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