巻ノ百八 切支丹禁制その五
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「十二神将をな」
「全員で、ですか」
「若しもじゃが」
「大久保殿の後ろに伴天連の者達がおれば」
「あの者達は手段を選ばぬ者達でな」
己の目的を達する為にというのだ。
「しかも腐りきっておる」
「その性根が」
「民百姓から搾り取り己達だけ肥え太り己が権勢の為に他の宗派も何もかも惨たらしく殺す」
「まさに外道ですな」
「そうした者達だからじゃ」
外道達だからこそというのだ。
「お主達全員でじゃ」
「調べそして」
「妖しき者達がおればな」
「成敗せよ、ですか」
「文字通りな」
「伊賀十二神将は最強の忍達です」
服部は絶対の自信を以て家康に答えた。
「一人で一騎当千いやそれ以上の者達ですが」
「それでもじゃ」
「その一騎当千の者達をですか」
「十二人全員でじゃ」
まさにというのだ。
「向かうのじゃ、無論お主もじゃ」
「それがしもまた」
「向かえ、あの者達は魔女狩りと称して多くの者を惨たらしく殺してもおるが」
服部にもこの話をした。
「その中でその魔女達が使う魔術、妖術じゃが」
「その妖術をですな」
「身に着けておるやも知れぬ」
「何故妖術使いを殺すか」
「その強さを知っていてじゃ」
「そして、ですな」
「妖術を使う者達を殺し」
そしてというのだ。
「妖術は自分達のみが使う」
「その魂胆があり」
「実際にな」
「その術を使う者もおりますか」
「そうも考えられる、しかも噂じゃが」
「伴天連の妖術ですな」
服部からこの言葉を出した。
「裏の方で噂として出ていますが」
「わしも聞いたことがある」
家康にしてもというのだ。
「それでじゃ」
「伴天連の妖術使い共に対する為に」
「よいな」
「十二神将全てを」
「連れて行くのじゃ」
「わかり申した」
服部は家康に確かな声で答えた。
「そうさせて頂きます」
「それではな」
「大久保殿、すぐに調べます」
「切支丹は恐ろしい者達じゃ」
家康は極めて深刻な顔で述べた。
「わしが思っていたよりも遥かにな」
「これでは」
「太閤様のお傍で民達を売り飛ばし奴婢として売っていたという話を聞いても驚いたが」
「そこからですな」
「調べれば調べる程な」
「その恐ろしさがわかりましたか」
「おぞましい恐ろしさじゃ」
切支丹達のそれはというのだ。
「人の悪を極めたかの様な」
「私利私欲をですな」
「神の名を借りたうえでな」
「最早比叡山の」
「あの山の僧達がそこまでするか」
「いえ、とても」
服部も顔を横に振って答えた。
「しませぬ」
「そうじゃな、それを思うとな」
「あの者達はですな」
「天下に入れれられぬわ」
「腐り果てた坊主達ばかりになり」
他の教えを一切認めない
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