第四百七十八話
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第四百七十八話 塾の時間までが
華奈子は登校した、するとすぐにこんなことを言い出した。
「早く放課後にならないかしら」
「塾の時間が待ち遠しの?」
「そうなの?」
クラスメイト達がその華奈子に尋ねる。
「今日体育と音楽あるわよ」
「どっちも華奈子ちゃんの好きな科目じゃない」
「しかも給食はハンバーグとフツーツゼリー」
「どれも華奈子ちゃんの大好物よ」
「けれどそういったのよりもなの」
「今は塾の方が待ち遠しいの」
「そうなのよ」
実際にとだ、華奈子はクラスメイト達に答えた。
「今のあたしはね」
「それはまた相当ね」
「そこまで塾の授業が楽しみって」
「そこまでって」
「ある意味凄いわ」
「だって今日は気分一新、身体も奇麗にしたし」
その石鹸とシャンプーの香りをクラスの中でも漂わせて話す、どちらも香水に負けない位いい香りだ。
「だからね」
「それでなの」
「塾の時間になって」
「魔法を使いたい」
「そのお勉強をしたいの」
「そう、今まで苦手だった水の魔法も」
その意識があったそれをというのだ。
「絶対にね」
「上手に出来る」
「そうなってるっていうのね」
「そうよ、少なくとも考え方は変えたし」
完全に開き直って気分を一新させて考え方を逆にしてみたというのだ。
「思い切ってやってみるわ」
「思い切ってなの」
「そうしてやるの」
「そのつもりよ、考えてみたらあれこれ悩むのって」
苦手とかそう思ってというのだ。
「あたしらしくないしね」
「ああ、それは確かにね」
「華奈子ちゃんらしくないわ」
このことはクラスメイト達も頷くことだった。
「考えるよりやってみる」
「何でもね」
「成績もそれで上がったしね」
「だったらね」
「そう、もうやってみるわ」
自分らしくというのだ。
「塾でね」
「じゃあ塾の時間になったらね」
「頑張ってね」
クラスメイト達もその華奈子に言う、そうして華奈子は彼女達のエールも受けてそうして塾の時間になるのを待っていた。
第四百七十八話 完
2017・9・6
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